第2回
ロード・トゥ・カリスマ 〜佐藤流司 カリスマへの道〜
佐藤流司の勢いが止まらない。
ミュージカル『刀剣乱舞』(以下、刀ミュ)から“刀剣男子”として『第69回NHK紅白歌合戦』へ出場を果たしたかと思えば、今年の夏ドラマ『HiGH&LOW THE WORST EPISODE.O』(日本テレビ系)で快進撃を飛ばし、ボートレースのCMではその歌声と麗しい姿を披露。牙城である2.5次元舞台での人気・実力は言うに及ばず、今や一般の老若男女にまで広く存在を浸透させつつある。
一見、女の子のような甘い風貌とは裏腹の、凛として強い佇まい。その鋭利な視線からは、まるで研ぎ澄まされた刀のような“真剣み”を感じずにいられない。
謙虚でありながら挑戦的。努力家でありながら感覚的。矛盾し相反する魅力はまさに“ギャップ萌え”の権化だ。24歳にして、2.5次元界のトップランナーと称されるまでになったのも頷ける。
2.5次元舞台で大切なのは、言うまでもなくキャラクターの再現度だ。ルックスはもちろん、身に纏(まと)う空気感や立ち居振る舞い、ちょっとしたアドリブのディティールまで、できる限りキャラクターに寄せることが大前提。とはいえ、それでも役者の個性が滲み出てしまうことはある。ファンの中には、そんな瞬間を楽しみにしている人もいるかもしれない。
だが、佐藤流司は徹底的にその再現度にこだわる。
『刀ミュ』を観た人ならもちろん、そうでない人も、『紅白』や『MUSIC FAIR』(フジテレビ系)など、刀剣男子が出演した番組で、彼に目を奪われたのではないか。
MCから急に話を振られても、返しは必ず彼が演じる「加州清光」100%。コメントはもちろん、“誰かが話しているとき、心ここに在らずな感じで、なんか髪をいじってたりする”様子など、その徹底ぶりは見事。1ミリも佐藤流司を出さなかった。