「ヤバい女になりたくない」そうおっしゃるあなた。ライターの仁科友里さんによれば、すべてのオンナはヤバいもの。問題は「よいヤバさ」か「悪いヤバさ」か。この連載では、仁科さんがさまざまなタイプの「ヤバい女=ヤバ女(ヤバジョ)」を分析していきます。

第29回 マツコ・デラックス

 新宿二丁目での女装から、芸能界の中心へ──。

 マツコ・デラックスの転身は、きらびやかな逸話を誇る芸能界でも、例を見ないものではないでしょうか。

 そのマツコに対するバッシングが相次いでいます。

マツコ『文春』報道に反論

 バッシングひとつめは『週刊文春』(文藝春秋)。《ジャニーズ幹部の稲垣「舞台潰し」とマツコの「共演拒否」》という記事で、ジャニーズ事務所が稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾ら新しい地図のメンバーを地上波のテレビ局に出演させないように圧力をかけていること、テレビ局もジャニーズ事務所に気を遣ってそれを受け入れていることに加え、マツコ・デラックス新しい地図に共演NGを突きつけた、つまりジャニーズ事務所側の立ち位置を取っていると報じています。

 文春の直撃取材に応じたマツコは、

《SMAPだから使われていたわけで、SMAPじゃなくなった三人に魅力を感じますか》
《三人はSMAPにいたからこそ、チヤホヤされていた》
《あの三人を使うんだったら、キンプリ(King & Prince)を使いたいんですよ。分かるでしょう。それがテレビ。なめるなって話です》

 と回答。

 SMAPという国民的グループを、引退公演もなく、無理やりに解体させたとも言われる中で、ジャニーズ事務所の手法に疑問を持つジャニーズファンは多いはず。マツコの発言は、新しい地図のメンバーをおとしめ、かつジャニーズ事務所の片棒を担いでいるようにも聞こえ、ネットは炎上しました。

 しかし、マツコが『週刊女性』2019年8月20・27日号で、反論。

《3人の人気がないといったわけじゃなく、ほかのベテランジャニーズだってそう、手垢まみれのあたしたちより、今の若いテレビマンが企画書ゼロの段階で誰を使うってなったら、キンプリを使うでしょって話よ。ギャラも安いし人気もあるしと、そういう話をしたんです》

 と釈明。個人的な好き嫌いではなく、ビジネス上の判断であることを強調したのでした。