老舗「朝倉椿美容室」を舞台に、四代にわたる女性美容師一家が日々奮闘する姿を描いた漫画こまどりの詩』。桜沢エリカが華麗に描くその世界を、現実世界で切り開いてきたのが“日本一個人売り上げが多い美容師”と話題のMISS ESSENCE MAYUMIだ。

 今回初めて会ったふたりが、美容師の世界の奥深さ、髪に悩む女性へのアドバイスなど、多くを語ってくれた。

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きっかけは面長というコンプレックス

桜沢 初めまして。今日は、“日本一個人売り上げが多い美容師”として話題のMAYUMI先生にお会いできるのを楽しみにしていました。

MISS ESSENCE MAYUMI(以下MA) こちらこそ、桜沢先生の『こまどりの詩』を読ませていただき、美容師の世界をこんなに素敵に描いてくださっていることに大感激しまして。

桜沢 ありがとうございます。長年漫画を描いていますが、実は美容師さんを描くのは今回が初めてで。MAYUMI先生は、美容師であり、美容室のオーナーさんでもいらっしゃるんですよね?

MA 名古屋と東京の青山で「MISS ESSENCE」という美容室を経営しています。この秋で60歳、美容師歴は40年になりますね。

桜沢 奇跡の60歳ですね!美容師になろうと思ったきっかけは?

MA 叔父が美容室を経営していて、幼少時から美容室には馴染みがあったんです。でも、当時は美容師になろうとはまったく思っていなくて。

桜沢 それがどうして?

MA すべては「顔が長い」というコンプレックスからなんです。「髪型で変わるかもしれない」と思い、中学生のころには住んでいた愛知県から、毎月青山や原宿の美容室に通うようになって。

桜沢 新幹線で!

MA 親には参考書を買いに行くとウソをついて(笑)。でも満足いくことはなくて、毎月、ガッカリして帰るの繰り返しでした。