ネットでの出会いは「傷つきたくない」が最優先

 “次”がないアラフォー女子にとって彼氏を失うのは死活問題です。好き嫌いで交際を始めたり、終わらせたりするのはどんな恋愛でも同じです。結婚前提の「婚活」でも例外ではないので、彼が“嫌い”という感情を持つことを責めることはできません。

 問題は別れ方です。彼がきちんと別れを切り出さず、逃げ回り、音信不通になったら、彼女は彼の気持ちを聞き出したいと、あらゆる手段を使おうとするのも無理はありません。特にマッチングアプリの場合はスマホの画面が出会いのきっかけなので、リアルの出会いと比べて相手に対する思いやりに欠ける印象です。

 例えば、直接会ったら何を言われるか分からないので怖い。修羅場になったら嫌だ。それなら無視し続ければいいという感じで相手の気持ちを考えず、わが身を守ることしか頭になく、とにかく「傷つきたくない」が最優先。彼はフェードアウトがお互いにとって最良の策だと思い込んでおり、相手を傷つけているという自覚は皆無なのだから、高い代償を払わされるのは当然といえば当然です。

 婚活や恋愛において、特に男性はネット上の出会いでも、白黒をつけてあげるのは相手の女性のためだということは肝に銘じたほうがいいでしょう。

 一方、女性が注意すべき点は何でしょうか。

 婚前交渉とは結婚する前の男女が性交渉に及ぶことです。自由恋愛が認められて久しい令和の時代ですが、お見合い結婚が主流だった昭和の時代は婚前交渉などもってのほかとされていました。そのため、性交渉をしたいのなら結婚するしかなく、“結婚するつもりがない身体目的のヤリモク男”を弾くことができたのです。このように考えると“、結婚するまでは軽々しく肉体関係を結ばないほうがいい”という先人たちの知恵にも一理あります。

 実際のところ、「身体で彼を満足させていれば交際を継続できるし、結婚してくれる」と本気で思っている女性がこの考えを捨て去るのは簡単ではありません。そのため、1回目のマッチングアプリで知り合った彼に“ヤリ逃げ”されたのに、また懲りずにアプリで別の男性と知り合い、早々に身体を許し、そしてフェードアウトされる女性も実在します。

 このように考えると、多少、時代錯誤かもしれませんが、遊び目的の男性から遠ざかるには最初の段階で「結婚するまでお預けだから」と言い切ってしまったほうがいいでしょう。


露木幸彦(つゆき・ゆきひこ)
1980年12月24日生まれ。國學院大學法学部卒。行政書士、ファイナンシャルプランナー。金融機関の融資担当時代は住宅ローンのトップセールス。男の離婚に特化して、行政書士事務所を開業。開業から6年間で有料相談件数7000件、公式サイト「離婚サポートnet」の会員数は6300人を突破し、業界で最大規模に成長させる。新聞やウェブメディアで執筆多数。著書に『男の離婚ケイカク クソ嫁からは逃げたもん勝ち なる早で! ! ! ! ! 慰謝料・親権・養育費・財産分与・不倫・調停』(主婦と生活社)など。
公式サイト http://www.tuyuki-office.jp/