結果ではなく行動を褒める
こうして誕生した“親がラクをしながらでも、子どもが伸びる”育児法は、東大受験で培ったノウハウや、心理カウンセラーとしての知識などを徹底応用。
親としての心がまえや実践テクニックの数々は、もちろん、杉山さん自ら日々の子育てで実践中である。
「息子は幼稚園のマラソンでビリなのですが、結果ではなく“頑張って走れてすごい”と行動を褒めるんです。すると挑戦を恐れない子になるので、息子はビリなことを気にしてはおらず、“僕が1位になったらどうする?”なんて言うほど、すごいポジティブ(笑)」
という杉山さん。これは、心理学の「ピグマリオン効果」を応用したテクニックのひとつだそう。
「子どもの世界って『家と保育園だけ』とかものすごく狭いもので、そのなかでの母親の存在はとても大きなものなんです。
だから、お母さんが子どもに“絶対できる” “あなたならできる”と言いまくることが効果的。
『母親が自分を信じていてくれる』と思えることで子どもの心は安定しますし、『自分はできる』と思い込むことで、子ども自身がすすんでチャレンジするようになるんです」
子どもへの声かけ。そのひと言がプラスになることもあれば、マイナスになることも。
「子どもがおもちゃを片づけないまま次のおもちゃを出すことってよくありますよね。ですが、そこでしつこく片づけろと言うのは逆効果。人は『〜しろ』と言われすぎると、逆にやりたくなくなってしまうんです。
また、子どもが片づけないことは親にとってもけっこうなストレスになります。お互いのためを考えたら、ガミガミ言ったりイライラする前に、自分でどんどん片づけていってしまったほうが得策です。“片づけられない大人になるのでは……”と不安に思うかもしれませんが、片づけの技術はむしろ年齢が高くなってからのほうが身につけやすいので大丈夫」