「君んちにウーバーイーツしてあげる!」
結局、そのまま一緒に飲むことになり、自己紹介を聞くと、彼は29歳で、渋谷のベンチャーIT企業で働いているという。三茶の駅から徒歩5分くらいの家に住んでおり、職場までは「ロードバイクで通っている」というあたりも「なるほど……」という感じだった。
「空いた時間を使って、Uber Eats(ウーバーイーツ)とドライブシェアのバイトもしてるんだよね。ウーバーイーツとか、普段使う?」
Uber Eatsとは都内ではもう当たり前のフードデリバリーサービスで、家から出ずにレストランのごはんを宅配してもらえる。
「ていうか、家どのへん? 俺がごはん宅配してあげるよ!」
急な決めゼリフ、キタ―!!
その後、おすすめのおいしい出前可能な店をGoogle Mapで共有してくれた。マップ上にさまざまな飲食店情報をストックしているあたり、ネットリテラシーの高さも感じる。
宅配手数料はアプリ内で決済されるため、彼に住所を教えたところで安くしてもらえるワケでもないのだが、自然と生活圏を聞き出すワザは、お見事だった。
2人きりの路地で、そのまま……?
歌い疲れてきた私たちは、午前1時には店を出ることにしたが、「イイ店、知ってるんだ」と言って二軒目を誘ってくる。酔いも回りはじめたころ、三角地帯の中でスケボーボーイが立ち止まった。