『男はつらいよ』終了後は?

 その後、いわゆる国民的な“正月映画”が不在の時代が到来する。もちろん、年末年始に映画は公開されているのだが、寅さんや釣りバカのような「お正月といえば、あの映画を見に行こう」と思う作品がなくなってきた。とはいえ、洋画邦画ともに、大作映画の多くがお正月に封切されたのも事実。

 1997年の『タイタニック』、1998年の『アルマゲドン』、2001年の『ハリー・ポッターと賢者の石』、2004年の『ハウルの動く城』、2009年の『アバター』など、多くの大ヒット映画がこの時期に登場している。

 これら以外にも、国内で製作されてお正月時期に公開されるシリーズ映画もある。東宝の『平成ゴジラ』シリーズ(1989年〜1995年)、『ミレニアムゴジラ』シリーズ(1999年〜2004年)や、近年では、複数の仮面ライダーが共演するクロスオーバー作品『仮面ライダーMOVIE大戦』シリーズ(2009年〜)、映画『妖怪ウォッチ』シリーズ(2015年〜)などが毎年公開され、特撮やアニメの分野での“正月映画”として地位は確立してきた。

『スター・ウォーズ』シリーズの定着

 シリーズものは邦画だけでなく洋画でいうと、近年この時期に公開され、映画ファンを喜ばせてきたのが、『スター・ウォーズ』シリーズだ。『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(2015年)、『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(2017年)、『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』(2019年)が隔年で公開された。

 さらに2016年には外伝ともいえる『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』も公開されている。2018年に限っては外伝である『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』が6月に上映されたが、2015年以降、毎年『スター・ウォーズ』シリーズが公開されている。

 そして今年の12月20日に公開される『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』は、シリーズ最終章となり、記念すべき完結作品でもあり、イベントムービーとしてスター・ウォーズのコアなファン以外にも多くの観客が映画館に詰めかけることがうかがえる。

映画『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』ジャパンプレミア 撮影/高梨俊浩
映画『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』ジャパンプレミア 撮影/高梨俊浩
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