時短営業実証実験の終わりを伝える貼り紙。近隣住民から「コンビニの明かりがないと地域が暗くなったのがわかった」と声をかけられたという
時短営業実証実験の終わりを伝える貼り紙。近隣住民から「コンビニの明かりがないと地域が暗くなったのがわかった」と声をかけられたという
【写真】店員たちが販促のために手作りしたポップ

「レジの管理や商品の準備、掃除、片づけなど閉店と開店の作業です。スタッフができればいいけど、そうなると人件費がかかる。時短営業で休む時間は少し増えたかもしれませんが、閉めている時間は短いし、開けていてもあまり変わらない気がしています」

問題はそれだけではない。

金銭的な負担が大きい

「時短営業をすることで本部から送られる月10万円の奨励金がもらえなくなる可能性があるんです」(前出・同)

 客足は少ない時間とはいえ、売り上げは落ち、本部からの支援も切られるのは死活問題。

「時短営業だけではコンビニが抱える問題の根本的な解決にはならない」(前出・酒井氏)

 さらに、加盟店オーナーたちが過酷な実情を語る。

「レジ袋やお弁当の割りばし類、トイレの貸し出しもすべて店の負担。災害時には指定公共機関として支援もしますが行政や本部からの補助はありません。お客様には快適で安全に過ごしてもらいたいからこそ引き受けますが、結構きついのも現実です。特に金銭的負担は大きい」

 と、ため息をつくのは埼玉県の加盟店オーナー・Aさん。売り上げの金額に応じて本部に支払うロイヤリティーの割合も関係している。

「売り上げの70%以上を本部に払っている店舗もあると聞きます。オーナーたちはその残りから店舗の運営費、廃棄、人件費、自分たちの給料などを工面します。そのため利益はほとんど残らない場合が多い」(前出・Aさん)

 東京都の加盟店オーナーBさんも、

「人件費を抑え、生活費を確保するために週80時間以上働くオーナーは少なくない」