蛾次郎さんいわく、
「撮影場所に行ったら、カメラが鐘つき台の上にセットされてんの。撮影が終わったら監督と2人でハイヤーに乗って帰ることになって“撮影中に酒を飲むな”とひと言。でも、それだけだったから、監督はさすがだと思ったね」
以降、撮影中の飲酒は2度と繰り返さなかったという。
とはいえ、たまに待ち時間が長いと蛾次郎さんが文句を言い、それをまた隣の店で監督が聞いていて叱られることもしばしば。柴又ロケでは休憩中の会話に少々、注意が必要だったようだ。
天丼も草だんごも天下一品!
さて、渥美さんをはじめ、ロケ中の出演者やスタッフの間で人気だったのが大和家の天丼だ。上天丼(1620円)は大きな海老が器からはみ出る勢いで盛られ、甘辛い濃厚なタレが食欲をそそる。
蛾次郎さんはロケで店に来るたび必ず天丼を頼むそうで、《蛾次郎スペシャル》というご本人限定のスペシャル盛りまである。若旦那の仁さんによれば、
「2本の海老天と三つ葉のかき揚げに、そのときどきの季節の野菜の天ぷらをつけるのが基本です。今日はタラの芽天をつけてますよ」
写真のとおりボリュームたっぷりだが、
「今日も残さず食べたよ。このあと草だんごももらおう。オレ、糖尿だけど、あんこ好きだもん」
と、ニンマリ笑う御年75歳。すると、取材に付き添ってくれた息子で俳優の亮太さんから、「あんこは全部食べたらダメだよ~」と、鋭いチェックが入った。