必要なぶんだけ買って

 中国情勢に詳しい拓殖大学海外事情研究所の富坂聰教授は、「いまやありとあらゆるものがメイド・イン・チャイナ。問題ないものはないくらい」として次のように話す。

「まず、ペットボトルやプラスチック製品は影響を受けるでしょう。感染の広がり方によっても変わりますが、加工食品や冷凍食品、自動車にいたるまで、加工の一部や部品を含めほぼ中国がかかわっています。工場が稼働しても労働者が戻らないと商品は動かないので、1か月後ぐらいが深刻なのではないか」

 富坂教授によると、2002~'03年ごろ対中依存が顕著になってから初めての危機。「中国では極端に感染を怖がる労働者も多い」(富坂教授)というから先は読みにくい。

 前出の森永さんは「ほかにも衣料、玩具は中国製が多い。時計、デジタルカメラ、スマホも組み立ては中国が目立つ」と付け加えた。

 また、マスクの欠品が解消しない中、前出の渡辺さんは「衛生関連商品では消毒液のノズルも心配」とピックアップしたうえで、こう話す。

「詰め替えできる消毒液を持っていたら容器は大切にしましょう。心がけてほしいのは何であれ過剰に買わないこと。花粉症の人が困るのに、必要以上にマスクを買うのはいただけません。買い占めるのではなく、他者に思いやりを持って必要な分だけ買いましょう。消毒液がなければ、ハンドソープや石けんでもいいわけですから」(渡辺さん)

 どんなときもモラルと冷静さは失わないように。