正社員の手当をなくなることも!?
Q4:正社員は賃下げされる? 仕事量は増える?
「会社の方針によります。この制度が始まる前ですが、ある企業で正社員と非正規社員の待遇差をなくすために、正社員の手当をなくしたことがありました。
もともとあった手当がカットされたんですから当然、正社員からは不満が出た。これまでと同じ仕事をしているのに給料は下がった。
本来、待遇差があったときは、今までないものに対してプラスして上げることが多いんです。合理的な理由がなければ不利益変更になります。
しかし、その企業は正社員にはあって、非正規社員にはなかった手当を、正社員の手当をなくすことで均等を保ったんです。それが本来の姿かと言えば微妙ですよね。カットされたほうの正社員の不満はたまっていきますから。
業務についても同様です。普段どおりに仕事をしていれば関係はないのかな、と思いますが、中には非正規社員の仕事の一部も正社員が負担する、というケースも考えられなくはありません」
Q5:正社員と非正規社員、得なのは?
「将来のことを考えると、やはり正社員でしょう。
ただ、これまで日本は新卒採用で成長してきましたが、それが崩れていくことは考えられます。というのも企業が欲しいのは即戦力。
中途採用や派遣で仕事をしてきた方のほうがすぐに現場で能力を発揮できるということはあります。特に専門分野ではそうですよね。
この制度で給与だけでなく、仕事の面でも正社員と同様の働き方ができれば、非正規社員でもキャリアも積めるようになるでしょう。
現在、非正規社員として働いている方も、いろいろな仕事にチャレンジをしていけば次の就職先の選択の幅も広がると思います。
スキルの高い非正規社員はたくさんいますし、企業内の評価制度が整っていけば正社員の仕事に対する意識も変化すると思います。いつまでも終身雇用だけで会社に残れるとは限りません」