東京都内では大規模の商業施設は、生活必需品の販売エリアを除いて基本的には休業要請の対象となっているが、大都市圏以外の地域は緊急事態宣言の拡大により、これから自治体ごとの判断によって対象か否かが決まっていくことになる。
「大手商業施設に入っているショップ店員がコロナに感染して一時休業したところ、再開後も客足が遠のき、感染者が働いていた店以外も売り上げが大幅に下がっているそうです。ひどい店舗だと売り上げが休業前の1~2割程度まで下がっていますね。また“感染者が出た”というデマや、配線工事が消毒作業と勘違いされたようでコロナの噂を流されたお店も。若い世代は裏が取れない話は拡散していませんが、ネットリテラシーのない中高年が主にデマを信じて流してるみたいですね……」(沖縄県在住の女性)
家を特定されて石を投げられた人も
そう、岩手の“ダイヤモンド・プリンセス号の乗客”、そしてこの沖縄の件にもあるように、いま地方ではコロナ関連の“噂”がウイルス以上に蔓延している。
「僕の住んでいる地域も本当にコロナの影響がヤバいです。それは感染が拡大しているということ以上に“噂”がです。“感染者がどこに行ったのか”など、どういう行動をとっていたかがよく回ってきます。感染者が使っていた駅に隣接している商業施設にも行ったんじゃないかという話が出て、それ以降ガラガラになってしまいました。スーパーに行ったという噂が流れれば、誰も行かなくなる。
“あそこのスーパーは感染者が出たから保健所が消毒していたみたいだぞ”とか“あの家は感染者の家だから保健所が全部消毒してたぞ” “あそこはコロナが出たようだから近づかないほうがいい”と話している人も。感染者が出た会社は取り引きもできない状態に陥るんじゃないかと……。感染することよりも、感染して社会的に抹殺されるような状況がいちばん怖いです」(岐阜県在住の男性)
同様の話は別の地方でも……。
「隣の市の人がコロナに感染したんですけど、感染した本人の話だけじゃなくて親族の話も回ってきました。感染者のお母さんが市内の〇〇で働いていて……と。田舎だとご近所さんが“何か”あれば、狭い社会なのであっという間に近隣の町まで伝わってしまいますからね。実際、コロナにかかり仕事を辞め、引っ越した人がいます。家を特定されて石を投げられた人もいます。田舎は、その社会の狭さから“今後ここには住んでいられない”って思わせる。何も悪いことをしていないのに切ないです。“村八分”みたいな差別や噂の拡散はよくないと思いますが、ウイルスに感染したくないので怖がる気持ちは正直、理解できますね……」(新潟県在住の男性)
経済をストップさせるほどの脅威のウイルスが蔓延している。そんななか“人”が脅威となってはならない──。