値上がり食品 2020年夏

「小麦粉が本当に売れています。今まで長く商売をやっていますが、小麦粉がこんなにヒットするのは過去最高だと思います」

 東京・墨田区、スカイツリーのおひざ元で下町の胃袋を支えている『スーパーイズミ』の五味衛社長は、仕入れるそばから品薄状態になるホットケーキミックスなどの小麦粉製品の売れ行きに首をひねる。

小麦粉関連が追いつかず

 新型コロナウイルスの感染拡大の中で、マスクや消毒用アルコール、トイレットペーパーが“パニック買い”の対象になり、フリマアプリやオークションサイトなどで高値転売される事態を巻き起こした。マスクや消毒用アルコールの転売はすぐさま法律で禁止されたが、品薄状態は今、食料へと拡大しつつある。

 そのひとつとして、小麦粉がスーパーやコンビニの棚から一斉に消えるという異常事態が発生。菅義偉官房長官が今月、「原料の小麦粉の国内備蓄はある」「落ち着いた購買行動をお願いしたい」と呼びかける一幕もあった。