一方で弱り目に祟り目といった状態なのが、EXILEなどが所属するLDH。コンサートが150公演以上中止になってしまっただけでなく、全国で16店舗を運営する飲食店事業や、ウエディング事業などがコロナ禍で大打撃を受けている。
同じくモーニング娘。らが所属するアップフロントエージェンシーも、アイドル部門のハロープロジェクトだけで230公演以上が中止に。関連企業の『花畑牧場』や飲食店も臨時休業を余儀なくされている。
生き残っていくためには……
予測不能の事態だったとはいえ、須田さんは、「古いビジネスモデルが通用しなくなってきた結果」と分析する。
「飲食店は初期費用が安く、タレントの看板があれば料理や商品の質がそこまで高くなくても儲かるてっとり早いビジネス。しかし今の時代、ユーザーも舌や目が肥えてきているので、ネームバリューだけでは通用しなくなりつつある。コロナ禍でビジネスの変化のスピードが早くなっただけで、今苦戦しているところは、コロナがなくても将来的にはダメになっていたでしょう」
芸能事務所も、これからは“時代を読む目”がより必要になってきそうだ。
「コンテンツの見せ方、マネタイズ化の方法もこれまで通りでは通用しない。最近はYouTubeに参入する芸能人も多いですが、地上波の劣化コピーのような番組しか出来ないならすぐに飽きられるでしょう。
一方で、今回のコロナ禍はビジネスチャンスでもある。僕が関わっているトークライブハウス『ロフトプラスワン』を例に上げると、これまではチケットと会場での飲食の売上げが収入の柱になっていました。しかし今回、有料配信にしてアーカイブで見られるようにしたところ、会場に足を運べなかった方たちが購入してくださり、売上げは3倍になりましたからね。古いビジネスモデルに捉われている事務所は今後、淘汰されていくかもしれません」(須田さん)
タレントをマネージメントしているだけでは、令和の時代は生き残れない!?