登校している人を否定しているわけではないのに
姉の麗美ちゃんは学校に通っている。
「姉が流星に学校の楽しい話をしてくれるので、学校自体を嫌いにはなっていません。ただ、担任の先生への不信がぬぐえない」
若井さんの日々は忙しい。学校生活と同じように子どもの時間割を管理。加えて、大手学習塾のオンライン授業やオンラインのサッカースクールなども並行している。
「学校に行かせたほうがよっぽど楽です。教師役もしなくてはなりませんし、家だとやはり気が緩んでだらだらさせてしまうところを厳しく管理しなければいけません。私もときどき揺れますよ。みんなと一緒に過ごさせたほうがいいのではないかと思ったりもします。だけど親が揺れていたら子どもに伝わりますから、強い姿勢で学校に行かないで! と私がお願いする形をとっています。担任は連絡を一切寄越さずに学年主任の先生がしてきている状態。トラブルになるのをおそれているのでしょうが……」
担任への不信感が払拭されるまでは学校に行かせない、という選択をした若井さん。そんな彼女は周囲から過保護、過干渉、モンスターペアレンツなどと言われている。
「幼稚園が一緒だったママさんから、《なんで休んでるの? 流星くんがいないからうちの子も休みたいって言ってて困るんだけど》っていうLINEをもらいました。ほかにも《過保護すぎない? ちょっとは子離れしなよ》とかいろいろ。
なんでわざわざ他人の家庭の事情に首を突っ込むのですかね。私は登校している人を否定しているわけではなくて、うちの子どもは行かせられないというだけなのに」