銀行を乗り換えるなら今!
口座を整理したら、使わない口座は早めに解約しよう。
「休眠預金等活用法により、10年以上、取引がない預金は社会の課題解決のために活用されることになっています。申し出れば返済してもらえますが、時間がたつと忘れてしまったり、遠方に引っ越した場合は他行からの取り立てで手続きに高い手数料がかかることもあるので先延ばしにしないことが大切です」
なお銀行選びは金利も大切だが、暮らしに合ったサービスの有無や、手続きの際の利便性なども重要。そこで注目したいのがネット銀行だ。
「若い人のものというイメージかもしれませんが、お得なサービスが日々進化しているので、銀行口座を整理するこのタイミングで乗り換えるのもおすすめ。引き落とし口座としても使えるので、メインバンクにもできますし、金利のいい定期預金を目当てにサブバンクにしてもいいですね」
またネット銀行でなくても、使っている銀行口座の残高確認や資金移動がパソコンやスマホでできる『ネットバンキング』を検討するのも一案。ネットバンキングは難しいと思われるかもしれないが、初期設定さえクリアすれば、入金や振込など各種操作も簡単にできる。
「ネットに強くなっておけば、キャッシュレス化にも対応でき、何より外出できないときでもお金を動かせることは大きなメリット。大切な資産を守るためにもネット銀行やネットバンキングを検討、挑戦してみてはいかがでしょう」
《お得なサービスを狙いたい人はネット銀行がおすすめ!》
金利やポイントアップ、バラエティーに富んだ貯金・投資など、幅広いサービスが利用できるネット銀行。母体となる企業が安定しているかどうかも選ぶポイントとなる。
■使うたびにポイントが貯まり買い物に使える『楽天銀行』
振込などの取引で楽天スーパーポイントが貯まり、楽天市場での買い物にも使える。楽天証券との口座連動サービス「マネーブリッジ」を使うと普通預金金利がアップ。ボーナス時期など期間限定で定期預金の金利アップキャンペーンも。
■デビットカードで家計管理がラクになる『ソニー銀行』
他行から毎月自動入金できる「おまかせ入金サービス」や外貨預金などのサービスあり。全国約9万台と提携ATMも多い。年会費・発行手数料無料のVisaデビット付きキャッシュカードは国内外で即時決済ができ、お金の管理も楽。
■証券口座との連動で金利アップ!『住信SBIネット銀行』
母体は信託銀行で安心。連動するSBI証券を開設し、各口座をつなぐ「SBIハイブリッド預金」を使えば普通預金金利が大幅アップ。カードや光熱費の引き落とし口座にも使え、住宅ローンは1円単位で繰り上げ返済可能。
※金利などは2020年8月18日現在のデータ。各銀行の金利や手数料は写真ページの一覧表でチェック!
■ATMの数が圧倒的! 1年中24時間、手数料無料の『ゆうちょ銀行』
全国に約2万4千の窓口と、約3万2千のATMがあり、引っ越ししても、国内であればたいていのエリアで継続して使える。自分の口座なら24時間手数料無料で引き出せる。
■全国のしんきんATMなら入出金手数料が無料!『信用金庫』
親が認知症の場合、子どもが生活費の分を管理できるなど、高齢社会の課題に対応。地域特産品を景品にした預金や、商店街のスタンプで貯まる預金など地域密着型のサービスも充実。
(取材・文/野中真規子)
【PROFILE】
坂本綾子先生 ◎ファイナンシャルプランナー。女性誌やマネー誌でお金の記事を執筆。情報サイト「All About」でマネーガイドとして金融機関の取材記事を担当。著書は『まだ間に合う! 50歳からのお金の基本』(エムディエヌコーポレーション)など多数。