Q2)年金を繰り下げ受給するか迷っています…… A2)夫婦の一方だけ繰り下げることもできます

 年金の受給開始年齢は原則65歳だが、60~70歳の中で自由に選ぶことができる。ただし1年の受給額に違いが。

「5年早い60歳から受給開始する場合、受給額は65歳開始のときより3割減。逆に、70歳からにすると、142%に。どんな金融商品よりも利回りがいいと言えます

 受給額だけを考えれば、開始を遅らせるのがベストだが、長生きできない場合は損することも。

「夫婦の場合、どちらかだけ受給を早めたり、遅くすることは可能なので、2人とも繰り下げるのが不安なら、それで、バランスをとるという考え方もあり。とはいえ、平均寿命を考えると、開始年齢を早めるのは慎重に判断を」

Q3)生活費の節約に夫が消極的です A3)当たり前を見直し、差額を出してみて

「Bさんの場合、家計を見直して手元に残る現金を増やすことが肝心。特に自営業者は、病気やケガに対する備えも自分でしなくてはいけないので、会社員より多めに備えておくべきです」

 例えば、マイカーを必要なときだけレンタルにすると、保険料や税金などトータルで年30万~50万円も節約できる。また夫婦それぞれがスマホを持っているなら固定電話をやめても。当たり前に契約している新聞も、必要ないかもしれない。

「もし解約したら1年でいくらお得か、金額を出して夫を納得させてみて」

Q4)老後こそ、生命保険が必要ですよね? A4)必要な保障を見極め解約も検討を

 保険はライフステージの変化で見直すことが肝心。

「例えば、子どもがすでに独立している場合、高額な死亡保障は不要です」

 また大病をしたとしても、高額療養費制度を活用すれば負担を軽減することができる。70歳以上で一般的な収入であれば、治療費が数十万円になったとしても、実際の負担は月5万7600円に抑えられるのだ。

保険を考えるうえでのポイントは医療、死亡、貯蓄の優先順位づけ。必要な機能だけにしぼって余計な保険料をカット」

(取材・文/樫野早苗)


【PROFILE】
横山光昭さん ◎これまでの相談件数は2万3000人を突破したカリスマFP。実現可能な資産計画や、リスクの少ない資産運用のアドバイスが人気。著書に『退職金が出ない人の老後お金の話』(興陽館)など。