容疑者が手に負えない時期もあり、父親の実家に預けられたこともあったという。

「祖母はヨウちゃんを猫可愛がりしたようで、お母さんの悪口を吹き込んだ。嫁と姑の関係ですから。すると、ヨウちゃんはおばあちゃんが大好きになって、お母さんはその次の存在になったようです」

 地元の小・中学校では、目立つ存在ではなかったという容疑者。同級生が語る。

「勉強ができましたね。中学校のときは、いつもワイシャツのいちばん上のボタンをきっちり留めていた。生徒会に入っていて、文化祭なども積極的にやっていた印象もあります。

 話題は、いつも勉強のこと。勉強はホントに努力家でしたね。ゲーム、アニメ、マンガ、芸能界、異性の話などはしたことがない」

 別の同級生は、

「はしゃいでいる姿は1度も見たことがないですよ。親友はいなかったかも。でも、同窓会だったか、成人式のときだったか、酒を飲んで周りと打ち解けて笑っていたので、肩の力が抜けたなぁと思ったんですが……」

刃物を振り回したことも

 高校卒業後は、学習院大学法学部へ進学した。その後は、有名企業に就職したようだが、“奇行”が目立つようになった。

 近所の居酒屋店主の話によると、

「きちんとスーツを着て“新幹線で通勤していて、検察官をやっています”と話してました。カラオケで『ラバウル小唄』などの軍歌を歌って、お酒を飲んですっと帰るの。一時、自宅の玄関前に新興宗教のポスターが貼ってあったこともありましたが、とにかく変わった子だなぁと」

 仕事は長続きせず、実家で過ごす日々が多かったようだ。

「ときどきネットカフェや飲みには出かけていましたが、それ以外は家でした。糖尿病を患っていたお母さんもほとんど家にいたので、口論が絶えなくてね。

 お母さんはよく、私の家に逃げ込んで来ました。腕とふくらはぎにアザがあったこともあります。息子さんが刃物を振り回して騒動になったこともありました」(前出のAさん・以下同)