出てきた3人の男性、そのバランスの悪さ

 よく大物女性アスリートが引退後にバラエティー番組に出演し、スタジオで恋愛事情について根掘り葉掘り聞かれる光景を目にするが、それはあくまで現役を退いた“直後”の話。2017年の引退会見のときから守ってきた“恋バナ”をなぜこのタイミングで放出するのかについては深読みしたくなるが、真相は本人のみぞ知るところ。とにかく、『ホンマでっか』はこの流れに乗って“お見合い企画”のオファーを出したのだろう。だが、いざ出演OKとなって内心ビックリ! というのが本音だったのではないか──。

 今振り返れば、お見合い企画自体が“急造された”かのような雑さを放っていた。まずは最終的に選ばれた瀧川鯉斗以外のふたりが当て馬にしか見えない問題。ひとりは俳優業もやっているというイケメン看護師で、もうひとりはこの日からマツコ・デラックスの代わりにレギュラーとなった『EXIT』りんたろー。である。

 まず、番組内でもあまり説明されなかったこの看護師について調べたところ、『MR  WORLD JAPAN 2015 ファイナリスト』……とあるが、この大会が何なのかを知っている人がどれくらいいるのかわからないし、こう言ってはなんだが目立った出演作もなく俳優としては無名(インスタのフォロワーは530人)。りんたろー。に至っては、そもそも芸人としての振る舞いに徹しており、お見合いレースに本気で参加しているとも思えず。

 そして、いざお見合いトークが始まったかと思えば、瀧川鯉斗を前に浅田は、以前マネージャーから「“真央にどうかな”と勧められて興味があった」と嬉々として話すのである。そんな偶然あるかいな。

 つまり、この企画自体、“1対3のお見合い”というテイをとっておきながら、あらかじめ仕組まれていた出来レースっぽく見えるのだ。事前打ち合わせでマネージャーが「ウチの浅田が最近、鯉斗さんのことが気になってましてね」と口走るや否や、早急にスケジュール押さえて、そこに当日スタジオにいるりんたろーと、予定の合わせられる看護師俳優をあてがったのでは……? とか想像が膨らんでしまう。

 そんな下衆な勘繰りをしてしまうくらい、3人のバランスが悪いのだ。ストレートに『浅田真央が最近お気に入りの瀧川鯉斗と連絡先交換!』なんてのは生々しいということで、ワンクッションかませたのかもしれない。これが、浅田サイドの持ち込み企画で“番組を使った婚活”だったとしたら尚すごいが(それはないか)。

 そして肝心の鯉斗である。彼は放送翌日、インスタに浅田とのツーショットを載せたものの《国民的スターいや世界スター 浅田真央さんに選んでいただきました。大変に光栄な事です》といまいち熱がこもっていないようなコメントを出している。

瀧川鯉斗が放送後にアップした浅田真央とのツーショット(インスタグラムより)
瀧川鯉斗が放送後にアップした浅田真央とのツーショット(インスタグラムより)
【写真】お見合いで連絡先を交換した“イケメン落語家”とのツーショット!

 本人は単純に“浅田真央の4条件にマッチしたタレント”として軽いノリで出たつもりなのかもしれないが、『ホンマでっか』は「ふたりの恋の行方を追い続けます」と言っているぞ。そのところを、本人は自覚しているのだろうか。鯉斗があげたツーショットには浅田のファンと思しき人からの《お似合いです》《真央ちゃんを幸せにしてあげてください》とコメントもすでに寄せられている。いきなり重いが大丈夫か。

 今年で30歳になった浅田真央だが、MCの明石家さんまも年齢を聞いて「国民がみんな子どもやと、我が子のように思っているから」と驚いていた。彼女が今も“真央ちゃん”と呼ばれていることがその主張の何よりの裏付けである。

 節目を迎えて“恋愛にオープン”になった真央ちゃんと、それを見守る国民。そして事の重大さを知ってか知らずかの鯉斗──。恋の行方から目が離せない。

〈皿乃まる美・コラムニスト〉