「月数回、利用される70代のカップルはいつも仲よく手をつないで来店していますよ」
そう話すのは東北地方のラブホテル関係者。
若いカップルが行くところ──。そんなイメージとは裏腹にラブホテルを利用するシニアが近年、増えている。
時間とお金に余裕があるシニア層の利用が増加
「ラブホテルは1960年代ごろから市民権を得てきましたが、そのころからラブホテルを利用してきた団塊世代がシニアになった今も“なじみの場所”として訪れているようです。今の60代、70代は仕事を続けている人も多いですし、ベッドでもとてもエネルギッシュなんです」
と、ラブホテル評論家の日向琴子さんが明かす。
また、長年ラブホテルの運営管理に携わってきたTRUSTAR代表取締役の嶋野宏見さんいわく、
「若者の恋愛離れや草食化、さらに長引く不景気によって若年層の利用客が減ってきました。それに対して時間とお金に余裕があるシニア層の利用が相対的に増えている、とも言えますね」
前出・嶋野さんによると昼間の客層は「シニアが3〜4割」だとか。
そうしたことからラブホテル側も高齢者向けのサービスに注力しているのだ。
「カップルのどちらかが60歳以上であれば、休憩で500円オフ、宿泊なら1000円オフになる『シニア割』を展開しています」
全国に45のラブホテルを経営するレステイ社長の宮原眞さんは語る。また年金受給日に来店プレゼントを用意するホテルも増えているという。
では、シニア層はどのようにラブホを利用しているのだろうか。前出・日向さんは、
「性行為が行われた形跡がない部屋も多く、機能的には若いころのようにいかないシニア層は広いベッドでのんびりスキンシップを図ったり、映画を見たり。お風呂でゆっくり過ごすなど2人きりの時間を楽しんでいるようです」
さまざまな思いが交錯するラブホテル。では実際に『性春』を謳歌するシニアたちのエピソードを取り上げる。