シニアにうれしい今どきサービス
シニア層にとってうれしい理由には割引だけでなく、実はきめ細かなサービスが盛りだくさんなのだ。
前出・嶋野さんが説明する。
「埼玉県東松山市の『ホテルリセ』では、敷地内の朝どれのタケノコを高齢のお客様にプレゼントしたところ、非常に好評でした」
また、バレンタイン時期には“苺大福のつかみ取り”イベントを展開、これも大盛況だった!
「人気の高級菓子などは食べなれていなかったり、家族にあれこれ詮索されるおそれがあるため、自宅に持って帰ることを躊躇する方もいますので(苦笑)。足がつきにくい大福は人気でした」(前出・嶋野さん)
ほかにも、レトロな駄菓子をフロントでプレゼントするなどのサービスも。シニア心をくすぐるおもてなしも心にくいほど。
さらに室内の設備も熟年層を意識した作りが随所に施されているラブホテルも多いという。
「各所に手すりを設けたり、テーブルやベッドの角を丸くするなど安全面に配慮しています。一部はバリアフリーにしているホテルや、部屋によっては電動式のリクライニングベッドを設置しているところもありますよ。またベッドサイドには老眼鏡やルーペを置いて、エアコンのリモコンも操作しやすいシンプルなものにしています」(前出・宮原さん)
これからの寒い季節には、エアコンだけではなく毛布やヒーターなどの暖房器具も追加で設置するなど、まさに至れり尽くせりだ。
また、ラブホテルでは「食」もあなどるなかれ。
「かつてはラブホテルというと、レンジ調理スナックといったイメージもありましたが、近年はサラダや大豆ミートを使ったハンバーグなどヘルシー志向のメニューも取り入れています」(前・同)
また、高級レストランさながらの料理が楽しめるホテルもある。
「東京都大田区の『AROMA GARU(アロマガル)』はオーナーが元シェフでオーベルジュ風のコース料理をいただけます。国立の『ウォーターホテルS国立』もシェフやパティシエが常駐しているので、手作りハンバーグや焼きたてのパン、ホテルメードのケーキまでも楽しめますよ」(前出・日向さん)
これなら舌の肥えたシニアも大満足のはず。
また、室内にお茶菓子など気に入った食べ物を持ち込み、茶器棚に入っている食器を使ってささやかなお茶会を楽しむカップルもいるという。