薄毛の人はコロナ重症化のおそれが?
意外なリスク要素は、ほかにもある。ソフトバンクグループの孫正義氏が思わず「マジか!?」とツイートした、こんな仮説に注目が……。
「“薄毛の人はコロナが重症化するおそれがある”というものですね。
男性ホルモンのアンドロゲンはプロテアーゼという酵素を増やしますが、この酵素にはウイルスを活性化させる働きがあるんです。そのため、新型コロナウイルスの能力も高めてしまう危険性を海外メディアが報じて、話題を集めました。実際、スペインの研究報告では、新型コロナの男性患者のうち、71%が男性型脱毛症だったというデータもあります」
そう話すのは、医学博士で医学ジャーナリストの植田美津恵さん。新型コロナは、女性より男性のほうが重症化しやすいといわれている。
「男性ホルモンとの関連が指摘されていることは確かですが、ストレスや皮膚病で薄毛になる人もいますし、薄毛だから重症化しやすいというわけではないと思います」
ワクチンはいつから使えるのか
ワクチンや治療薬の開発も世界中で進められている。
感染を防ぐにあたり「ワクチンを上回る予防はありません。いちばん確実です」と語るのは、池袋大谷クリニック院長の大谷義夫医師だ。
「イギリス、アメリカ、中国などが開発中で、特に日本はアメリカとイギリスから提供されるという話になっています。さらに国内でも、大阪大学や塩野義製薬、第一三共といった製薬メーカーが開発を進めている。来年には国産ワクチンが出てくるのではないかと思います」
各国がワクチン開発を急ぐ中、臨床試験の中断が相次いでいる。9月初めには、英アストラゼネカが開発するワクチンで参加者に神経系の症状が出て中断(のちに再開)。今月12日にも、米ジョンソン・エンド・ジョンソンが最終段階に入っていたワクチンの臨床試験を「説明のつかない病気が参加者に出た」として一時、中断した。
「発見から1年もたっていない新しいウイルスですから、どのような副作用が生じうるのか誰にもわかりません。ワクチンを接種して抗体が上がったとしても、それがウイルスを中和するのかどうかも未知数です。また、人種によってワクチンの有効性に差があるかもしれない。
ただし日本の場合、イギリスやアメリカでの試験結果を前例としてみることができますから、副作用に関して慎重に検討可能といえそうです」(大谷医師)