人それぞれの“シングル事情”
一方で、破局を原因にシングルマザーになった女性芸能人、ワケあってシングルにならざるをえなかった女性芸能人もいる。例えば、草刈正雄を父に持つ紅蘭は、事実婚相手だったラッパーとの間に第1子女児を出産したものの、ラッパーの男性が知人男性への暴行容疑で逮捕され、事実婚を解消する事態に。
また、2001年には、元光GENJI山本淳一との結婚と妊娠を発表した遠山景織子だが、そのまま入籍をすることなく長男を出産。そのときすでに山本とは破局し、シングルマザーへと。
その後、ナチュラルフードコーディネーター資格を取得し、愛息のために作り続けたお弁当のレシピを公開した『遠山さんちの明日のお弁当』を出版するなど、こんなご時世だからこそ、彼女の奮闘はもっと語られてもいいはず。
未婚の母を選び、第1子女児を出産した浜田ブリトニーは、自身のお腹にいた娘を残して破局したお笑い芸人の岩見透と復縁、結婚という紆余曲折を経ている。“元・未婚の母”というレアケースだが、今年8月には第2子妊娠を公表するなど順調のようだ。
そして、'00年にギタリストの弥吉淳二との“不倫略奪できちゃった婚”が話題になった椎名林檎も忘れてはいけないだろう。2年後に離婚し、その後は シングルマザーとして長男を育ててきたが、'03年に第2子を極秘出産。
しかし、その男性とは結婚せず、“事実婚”のまま出産。離婚のシングルマザーと未婚のシングルマザー、双方を経験─。さすが唯一無二の世界観を構築する椎名林檎らしい選択かもしれない。
「経済的に豊かな未婚の母の成功例だけを見てしまうと、ゆがんだとらえられ方になりかねない。結局、お金さえあれば何とかなるんじゃないか、という結論になってしまうと、間違ったシングルマザー像が先行してしまう。
先の5人に加え、紅蘭や遠山景織子のような例もあるわけで、シングルマザーや未婚の母を十把一絡げに解釈するのは短絡的と言えるでしょう」(宝泉さん)
《取材・文/我妻アヅ子》