お酒や日用品などを精算前にマイバッグに入れて万引きして、フリマアプリで転売。コロナ感染者が出た店舗をSNSで誹謗中傷。レジのかごまでパクる……。最近、スーパーマーケットを悩ませる不届きモノたちが増えている。中には、わが物顔で犯行を繰り返し、逆ギレするケースも―。
「かごパク」被害急増中
「買った品物がマイバッグに入りきらないときは、かごのまま駐車場まで運んで、ついつい持って帰ってしまいます。レジかごは次に行ったときに返せばいいかなと思って」
そう明かすのは九州地方に住む30代の会社員の男性。
実は彼、「かごパク」の常習犯。悪びれる様子はなく、これまで持ってきたレジかごを返却したことはない。過去にはカートも持ち帰ったことがあるというから悪質だ。
「かごパク」とは、買い物で使うレジかごを精算後にそのまま持って帰る行為のこと。“エコバッグを持っていない。持っていても品物が入りきらない”“でも、レジ袋は買いたくない”そんな自分勝手な理由で犯行に及んでいる。レジかごは店舗の備品のため、勝手に持っていけば盗難、つまり窃盗罪になる。
「かごパク」は以前から起きていたが、今年7月にレジ袋が有料化されると被害が増えた店もあるという。そのひとつが東京練馬区に本店があるスーパー『アキダイ』。秋葉弘道社長が明かす。
「レジ袋有料化前の10倍の被害が出ています。でも、この件が報道されると“困らせてごめんね”と謝って返却してくれたお客様もいました」
スーパーを困らせるトンデモ客の行為は「かごパク」だけではない。
もっとも深刻なのが万引きだ。万引き対策専門家の伊東ゆうさんが解説する。
「セルフレジが増えたことなどから、ここ数年、万引きがしやすい環境になってしまった。さらにコロナ対策で死角が増えたこととレジ袋有料化が重なり、犯人の捕捉数も増えています」
生活費の節約目的で万引きをする年金生活の常習犯や、最近では30~50代の初犯も多いという。前出・伊東さんは、
「コロナで失業し、路上生活になってしまい、万引きせざるをえない人が増えています。最初は生活のために弁当などをやむなく盗むのですが、慣れてくると盗品を換金するようにもなります」
日用品や食品などを日常的に盗み、メルカリなどのフリマアプリなどで転売して金銭を稼ぐ手口。まさに「メルカリ万引き」だ。