まさに幸せの絶頂だった
奈美子さんは1999年11月13日、名古屋市西区にあるアパート2階の1室で、何者かに刃物で首を刺されて死亡した。左手には防御創があったことから、犯人と争ったとみられる。
奈美子さんは、リビングの入り口のところにうつぶせで倒れ、台所の食卓では、長男の航平君(当時2歳)がベビーチェアに座っておもちゃをいじっていたが隣人に無事、保護された。犯行に使われた刃物はなく、部屋が物色された形跡もなかった。
愛知県警によると、玄関に残された血痕のDNA型などから、犯人は血液型B型の女性と判明。年齢は当時40〜50歳で身長約160センチ。
県警は目撃情報などを基に捜査を続けてきたが、いまだに犯人は見つかっていない。今年に入ってようやく犯人の似顔絵を公開し、有力情報の提供者に上限300万円の懸賞金をかけた。
奈美子さんは当時、現場のアパートで、不動産会社で働く悟さん、息子の航平君と3人暮らし。結婚生活は4年目だった。事件発生の前月には奈美子さんが憧れていた新車が届き、家族3人でディズニーランドへ初めて出かけ、幸せの絶頂を迎えていた。友人の1人が思い出を語った。
「悟さんとのラブラブ話をしてくれて、息子が夫にそっくりでうれしいと。お互い幸せになろうねと話していました」
そんな薔薇色の日々を謳歌していた奈美子さんだが、実は、友人たちにも知られざる過去があった。