「“どうしよう!”と不安になって思考停止してしまうのはダメ」と山口さん。今できることを模索しよう!
【CASE 1】先行きに不安がある人
今、「支払いが大変」という人はもちろん、今後に不安がある人も備えが必須。「“厳しくなる”という前提で備えを。まずは、何かあったときに払い続けられるよう、まとまったお金を作ること。ローンの返済に使うことがなくても将来的に修繕費などに使えるのでムダではありません。そのために副業や内職などで月1万~2万円でも収入を増やす術を身につけておくと安心です」(山口さん、以下同)
1. 生命保険を一部解約する
すでに子どもが自立して養育費、教育費の心配がない場合は、生命保険も聖域にあらず。「生命保険の解約返戻金は場合によっては数百万円になるので家計にとってかなり大きい。すべて解約するのではなく、部分解約がおすすめです。一部もしくは半分解約を選択し、自分(パートナー)が亡くなったときに、最低限のお葬式代くらいが家族に残るようにしておくのがよいでしょう」
2. 親に借金する
親から一時的にお金を借りる、いわゆる“親借金”も検討すべき。「借用書を作っても厳しい取り立てもなく、金利も低いでしょうし、新たなローンを組むよりよいので、本当のピンチのときは頼るのも手。住宅ローンを組むときは出してもらえなかった場合でも、今は両親も年齢を重ねて余裕があるかもしれません。また、110万円までなら非課税なので贈与という形でお願いするのもいいでしょう」
3. 車や不用品を手放す
「フリマアプリなどを活用し、家にある不用品をどんどんお金に換えていきましょう。家もすっきりするので気分がよくなるはずです」。思い切って車を手放すことも視野に入れて。「車によっては、売っても10万円程度しか手元に残らないかもしれません。でも、保険料やガソリン代、駐車場代などランニングコストがなくなって、月々数万円の固定費が浮くのは大きい」
4. 副業や内職などで収入を増やす
「今は、家事や小物作りなど自分の特技やスキルをアプリで簡単に売ることができる時代。データ入力など在宅でできる副業バイトも求人サイトにたくさんありますから、月1万~2万円が稼げる方法を探しておきましょう。“厳しくなったら働こう”という考えではダメ! 本当に厳しくなってから仕事を探しても手遅れです。まだ大丈夫なときこそ、稼ぎ始めておくべきです」
■収入が落ちていない人は借り換えの検討を!
収入が減額しておらず、10年以上、住宅ローンの見直しをしていない人は、この機会に住宅ローンの金利をチェック。「借り入れ先の銀行と金利の引き下げ交渉を行うか、別の金融機関の低金利ローンへ借り換えを検討してみましょう。借り換えることで月々の支払いが安くなる場合もあります」。借り換える場合は、手数料を払っても返済総額が減るかどうかを確認すること。
【体験エピソード】借り換えで返済総額が350万円も減りました!
「夫婦ともに30代で住宅を購入。年利3.5%くらいの『フラット35』で35年ローンを組みました。でも年々、夫婦ともボーナスが減り、月払いの返済額を増やさねばならず負担に。思い切って大手銀行で令和10年まで固定金利1.35%、その後は変動金利になるプランに借り換えました。それが正解! 合計350万円も返済額が減ったんです。手続きで何度も銀行に行く手間や、諸費用(司法書士、印紙代など)で約50万円かかりましたが大満足です」(東京都/49歳/会社員)