運動・エクササイズ部門〜後編〜

■週7日運動すると死亡率が上がる

 齋田先生は「疲労を回復できないと免疫機能を落とします」と言う。また、運動習慣と心疾患による死亡率の因果関係の調査結果をまとめた論文によると、最も死亡率が高かったのは全く運動をしない人で以降、週に1回、2回と運動習慣が増えるにつれて死亡率は下がるという結果が出た。

 ところが、同時に週6日以上、つまりほぼ毎日運動をすると、1日おきに運動する人よりも死亡率が上昇する結果が明らかに! これは、せっかく運動をしても、疲労回復をきちんと行わなければ逆に免疫力が落ちることの裏づけと考えられる。まさに「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」。

■慢性痛は脂肪の量より筋肉の量が問題

 長期的な運動不足で筋肉量が減ると疲れやすくなるうえに、残った少ない筋肉に大きな負担がかかり、痛みも発生しやすくなる。

「太っている人の場合は、適切な食事や運動療法で体重を落とすと痛みが和らぐことも多いんです。それは脂肪の下に、ある程度、筋肉がついていることが多いから。逆にやせていても筋肉量が極端に少ない人の場合、慢性痛を改善するのはなかなか難しいから注意が必要です」(北原雅樹先生)

 特に女性は、更年期を迎えると、自然と筋肉が減少。見た目の細さだけを追求していると、年をとってから大きなしっぺ返しを受けるおそれが。以下のチェック項目にひとつでも思い当たれば筋肉量が足りていない可能性大。生活習慣の見直しを。

【筋肉量チェック】1つでも当てはまったら要注意!

□気を抜くと、ガニ股歩きになってしまう
□ハイヒールで歩くとつま先とヒールが交互に床にあたり、音が鳴る
□ラクに立つと、背中は丸まり下腹が前に突き出る
□出産経験はないが、尿漏れの経験がある

(構成/中村明子)

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【写真】糖尿病による死亡者数や脂肪・糖質の摂取量の年次推移をグラフでチェック!