また、都心の飲食店ではすっかりお馴染みとなっている、アクリル板などを使った飛沫防止のパーテーション。こちらも常設している飲食店は多くはないそう。
「自作した簡易パーテーションをその都度、テーブルに設置させてもらっています。持ち歩くのにけっこうかさばるんですよ(笑)。でも、番組としては感染防止対策をしているところを見せなくては、ちょっとしたことでクレームが入ったり、それこそネット上の炎上案件になるので些細なことも気を付けている現状です。
仮に、ロケ先でスタッフがマスクを外していたり、密になって大声で話していれば、すぐに“○○番組のスタッフが〜”などとSNSに告発されてしまう時代。コロナ禍での“自粛警察”といった監視の目は、私たちテレビ関係者、特に現場のスタッフには厳しく向けられがちですね」(前出・ディレクター)
番組に批判やクレームがきやすい
ニュースやワイドショーでは連日、「〜でクラスター発生」「本日の感染者数は〜」などと伝え、中には感染拡大の不安を煽るような報道も見受けられる。一方で、感染拡大に拍車をかけるような、大人数でロケを行うグルメ・観光スポットの紹介番組に、視聴者が矛盾を感じている状況もある。
「ただでさえ広告収入が落ち込んでいる中で、番組スポンサーに批判やクレームが寄せられるような事態になれば、たとえ数字を持っていても対応を検討せざるを得ません。ならば、コロナでロケに支障が出やすい街ブラものよりも、スタジオでのトークバラエティーや、スポンサーに添ったVTR番組に切り替えた方がいい。
特に『火サプ』のように、“アポなし”を売りにしている番組であればなおさらのこと。以前であればアポなしも歓迎されたのでしょうが、コロナ禍の現状では何の前触れもなくやってくる突撃取材は飲食店にとってリスクでしかない。取材を断られることも多くなり、スタッフも現場で店探しに苦労していると聞きます。同様の手法をとっているロケ番組の打ち切りは今後続いていくかもしれません」(テレビ局関係者)
私たちの生活を一変させたコロナは、テレビ局のあり方も変えそうだ。