最後まで安心できない、遊川作品
エ 柴門ふみ原作、大石静脚本の『恋する母たち』(TBS系)は、「母たち」が恋や不倫をする事情がちゃんと用意されているのよね。
ただの不倫だと叩かれやすいし共感されにくいから、その背景を描くことがマストなんだろうな。
神 木村佳乃、仲里依紗、吉田羊というキャストも、見る側に「ありそう」と思わせる地味さがありますよね。
あとは落語家役の阿部サダヲが本当にいそうなキャラ(笑)。
エ さらに、ビール会社で働く裕子(吉田)の息子がゲイという新たな展開も。三者三様の恋や人生の行く末、見守っていきたいわ!
行く末が気になるのは、遊川和彦脚本『35歳の少女』(日テレ系)も。風変わりな女性の言動が、さまざまな問題を抱えた周りの人たちに影響を与えていく……というのは、最近の遊川作品のパターンだけど、今回はどう着地するか?
あと、遊川作品の相手役の男子、今回は坂口健太郎、『過保護のカホコ』では竹内涼真だったけど、毎回やたら王子様感があって素敵に見えるのよねぇ。
成 遊川作品はぶちまけて終わることもありますから、最後まで安心できませんね。
構造でいうと『この恋あたためますか』(TBS系)もドSハンサム上司と、見いだされた女性がやがて恋愛関係にという定形展開ですが?
エ ガサツで愛されづらいヒロインを演じる森七菜も嫌いじゃないけど、個人的には石橋静河に大注目! 「石橋凌と原田美枝子の娘」という看板が邪魔になるくらいの、ニュアンスある演技とたたずまいが素晴らしい。ドラマ的には誰と誰が結ばれるのか、視聴者の反応を見て決める可能性もあるかなと思ってる。