品川庄司は双方が夢を叶えられた
原田 映画の話が出たけど、もともと映画製作には興味があったの?
品川 ありました。兄貴が映像の仕事をしている影響もあって、僕も撮りたいと思ってたんです。でも、お笑いも好きだから、決めかねていて。そしたら、ビートたけしさんが映画監督やられて「芸人で成功すれば、映画監督にもなれるんだ! じゃあ芸人になろう」と。逆に、映画監督から漫才師になるほうが難しそうじゃないですか(笑)。
原田 たしかに(笑)。
品川 芸人はみんなゴールデン番組のMCをしたいとか、サッカー番組でMCやりたいとか。そんな夢があるんですけど、僕は映画が撮りたかった。一方の庄司は「アイドルと結婚したい」って言ってたんですよ。
原田 そうなんだ!
品川 品川庄司は、それぞれの夢を叶えたんです。ただ、ふたりの共通の夢である“お笑いで成功する”という夢は、失敗してますね(笑)。
原田 失敗とは限らないじゃない!
品川 アハハ! 今のところはたどり着いてないです。
原田 どんなビジョンを持ってるの?
品川 品川庄司で冠番組を持ちたいです。『アメトーーク!』や『ゴッドタン』みたいな、自分の好きなお笑いができる番組。やっぱり、お笑いがすごく好きなんですよね。これは庄司も同じだと思います。
原田 品川くんはいま何歳?
品川 48歳です。
原田 僕は50歳になったばかりなんだけど、30歳になったときとは確実に違う。今まで、年齢はただの数字だと思ってたんだけど、50歳は折り返した感じがする。
品川 わかります。原田さんは、50歳になるの楽しみでした?
原田 楽しみでも不安でもなかったかな。ただ、50歳になったら30歳ではできなかった役ができるから、どう取り組もうっていうワクワクはある。品川くんは、50歳は楽しみ?
品川 僕は楽しみですね。自分は、30代は中堅、40代はベテラン、と区切っていて。でも、40代って若者の中ではベテランだけど、おじさんの中ではいちばん若手な気がするんですよ。
原田 わかる! 60歳の先輩たちと話してると、僕らは若手なの。
品川 勝手なイメージですけど、50歳になったら堂々とおじさんになれるかな、と。緑色の頭で何言ってんだって感じかもしれないですけど(笑)。
原田 でも、本当にそうかもね。おじさんの仲間入り。
品川 原田さんは身体もバキバキだし、若く見えますよ。
原田 バキバキではないけど、これからも役者として意外性がある役を演じたいから、この身体が役立つ日が来るかも。品川監督、次回作はよろしくお願いします!
品川 こちらこそ、ぜひお願いします!
【本日の、反省】“品川祐”という武器を常に磨いている人ですよね。ラップにも、品川くんらしさがあふれてました。彼は過去に修羅場もくぐってきただろうし、昔は生意気だったと言っていたけど、それはそれとして自分の生き方をしっかり認めていますよね。個人的には、品川くんがフィルムに収めてきたアウトローな世界の原点の話も聞きたかったな。優等生で生きてきた人には撮れない映画なので。品川くんとは、またひざを突き合わせて深い話がしたいです!
《取材・文/大貫未来(清談社)》