このマンガ(※関連画像参照)の例ではないが、遺影というのは、故人にとっても家族にとっても「ちょっと残念」なケースが多いのではないだろうか。
なにしろ、人が亡くなってから葬儀まで、遺族はやることがいっぱい。その間に遺影にする写真を選ばなくてはならないから、どうしても、“も〜これでいいや"的な妥協が生まれてしまう。間に合わせで葬儀に使った遺影(家族もすこし不本意に思いつつも)を、その先もずっと仏壇に置いてしまうことが世の常ではないか。
事前に「これを私の遺影にしてね、よろしく!」と準備している人はまだ少ない。“自分が死んだ後だもの、どんな写真を遺影にされてもいいわ"──そんなふうに思うかもしれない。
だが想像してほしい。自分の死後、仏壇やリビングなどに置かれた自分の写真が、自分にとって「えっ? なんでこれ?」というものだったら──。気に入らない角度、微妙な表情や古いメイクの自分。それが何十年も飾られ、家族に“ねぇ、おかあさん"“おばあちゃ〜ん"などと語りかけられるとしたら──?
いま、遺影を撮る人が増えてきているという。今回の記事(週刊女性本誌に掲載)で記者の母や伯母が体験をしているように、写真館でヘアメイクやスタイリングまでしてくれる遺影プランを用意しているところもある。もちろん、プロの教えてくれたポイントを参考に自力でお気に入り写真を準備しておくのもアリだ。
“縁起が悪い"と死にまつわるものは避ける傾向が強い日本だが、いまや「いつ、なにがどうなるかわからない」withコロナ時代。自分のイマイチな遺影を見て成仏できず、さまよう魂になるよりは、そこだけは安心して逝(い)けるように準備しておこう!