肩こりと腰痛をラクにする体操
【肩こり】背中のこりをほぐして肩をラクに
「日本人は世界一、座っている時間が長い」といわれます。それが原因で、肩こりに悩む人が圧倒的に多いのも事実。肩こりには背中がこっているタイプ、首筋の表面がこっているタイプ、首すじの奥がこっているタイプがあるそう。
今回は、背中がこり、両肩が出て猫背になっている人に向けた体操を紹介。「このタイプの人は、胸にある大胸筋もこっています。まずは、そこを伸ばしましょう」。
(1)壁に手をつく
壁に対して横向きに、まっすぐ立ち、片手を肩の高さで壁につける。壁からの距離は、手が完全に伸びきるぐらいが目安。壁についた手と反対側の足を半歩後ろに引く。そのとき、壁側の胸の筋肉が伸びたことを意識して。
(2)腕を回して胸を伸ばす
自由になっている手を「基本体操」と同じやり方でぐるぐる回す。前回し7回、後ろ回し7回を終えたら、反対側の手を壁につけ、その手と逆の足を引き、同じように繰り返す。
【腰痛】テレワークで悩ましい腰痛も手回しで軽く
「腰痛の原因のひとつは、おそらく手が短くなり、腰まわりのインナーマッスルがこわばっていることでしょう」。そこで、腰の深いところにある腹横筋をゆるめる手回し体操を紹介します。腰痛に悩まされている人のなかでも、上体を後ろにそらしにくい人におすすめ。
ただし、後ろにそったとき、痛みがある人はやめましょう。また、身体の背面の筋肉がかたくなっていると、腰痛につながります。
(1)親指を腰に軽く押し込む
両足を腰幅に開いてまっすぐ立ち、片手の親指を腰に押し込みます。目安は、ろっ骨と骨盤の間あたり。
(2)腰を押しながら手回し
親指で腰を押したまま、反対の手を前に7回、後ろに7回回す。終わったら、反対側も同じように行う。
【腰痛】椅子に座ったままできる運動
椅子に座ってお尻の筋肉をゆるめ、腰へのストレスを軽減する運動もあわせて解説します。
(1)椅子に座り、片足を反対のひざへ
背もたれのない椅子に浅く腰かける(背もたれがある椅子の場合、横向きに)。足首を反対側のひざに乗せる。
(2)両手を後ろで組み、身体を前へ倒す
両手を後ろで組み、胸を張るようにして背筋を伸ばす。胸をひざに近づけるようにして上体を倒していく。そのとき、ひざに乗せた足首の側の、お尻の筋肉が伸びていることを意識する。
(3)さらに深く前屈!
さらに身体を前に倒し、両手を床と平行になるぐらいまで上げ、肩甲骨を寄せる。呼吸をしながら10数え、終わったら足を組みかえ反対側も同じように行う。
(取材・文/仲川僚子)
《PROFILE》
高林孝光 ◎アスリートゴリラ鍼灸接骨院院長。過去24年間でのべ10万人に施術し、バレーボールのJOCジュニアオリンピックカップ東京代表トレーナーを務めるなど、アスリートの治療経験も豊富。その経験から、「手を伸ばす健康法」を確立。