原点はお悩み募集、深刻な相談も増えた
すると4年ほど前から“性被害に遭った”“犯罪に巻き込まれた”などの深刻な悩みを打ち明ける人が増えてきた。
「最も多いのはSNSを通じて受けた性被害。それから、金銭トラブルやいじめです」
ネットでつながりやすくなったぶん、危険が潜んでいる。
「孤独で寂しいからかまってくれる人がほしい、と願う若者は多い。今はSNSやチャット(ネット上で会話ができる)機能のあるゲームで出会うこともあります。一緒にゲームをやって親しくなる。そうすると、SNSを使って連絡をとり合い、会おうということにもなります」
一般人だけでなく、前出のワタナベのように、自分の知名度を利用して近づいてくるユーチューバーもいるという。
若者にとって有名なユーチューバーは芸能人のような憧れの存在。ファン心理に巧みにつけ込み、自らの欲求を満たすために利用されるケースがある。
性被害だけでなく高額な金銭トラブルも
例えば、コレコレさんに相談した16歳の女子高生の場合。
彼女のもとに、憧れだった20代のユーチューバーから連絡が来た。すると彼女は“仲よくなりたい”という気持ちで舞い上がる。性的な関係に発展し、当然“付き合える”と期待。しかし、その思いを裏切るように男はことが終わったら彼女を捨てた──。
こうした話は少なくない。
「高名なユーチューバーや芸能人であれば安心、信用できると思いがちですが、決してそうではありません」
中には身体の関係だけでなく、金銭を要求されたという相談もある。被害額は平均20万~30万円、最高で300万円を貸したが返ってこなかった女性もいたという。
「若者たちは知識もないので、自分が犯罪に巻き込まれている自覚がない。一緒にゲームをして、LINEなどで通話をして同じ時間を過ごし、少し優しくされたら、すぐ好きになってしまう。そこにつけ込む大人は大勢いるのです」
ネットに対して危機感のない若者が非常に多いことも危惧している。
「僕も番組内で再三、注意をしていますが、例えばSNS上で名前を出し、制服姿の顔写真を上げていれば簡単に学校や個人が特定されてしまいます。個人情報が流出すれば何らかの犯罪に巻き込まれる可能性がある。常に危険な状態なんです」