それ以降、全国の介護施設でクラスターが多発。夫は「がんの治療が終わったばかりだろ? お前に感染させたら大変だ」と言い、自分は勤務する施設に寝泊まりすることを提案したのです。それ以降、夫が自宅に帰ってくるのは月1回に。
不倫相手に「もうすぐ離婚できる」と言い放った夫
しかし、また夫に裏切られたのです。1月下旬のこと、咲良さんは夫のスマホにLINEの通知が入るのを見てしまいました。「愛している」「早く一緒になりたいね」「世界で一番大事な人」など甘い言葉のオンパレード。送信主は不倫相手の恵梨香さん。咲良さんは盗み見たわけではありませんが、次々と届くので目に入れないほうが無理でした。
夫は「それは過去のだよ。とっくに別れたし、盛り上がったのは最初だけ。お前が信じようが信じまいが」と取りつくろいました。咲良さんから報告を受けた筆者は「信じられませんね。白黒をつけないと。それなら興信所に依頼しましょう」と提案しました。
職場で待ち伏せをして夫と恵梨香さんを尾行し、どこに行きつくのかを撮影したところ……2人が入ったのは恵梨香さんのマンション。そして翌朝、2人が出てくる写真が撮れたのです。そこで咲良さんは夫に写真を突きつけ、「これってどういうこと?」と激高。しかし、夫は「すぐに別れるよ」と弁明。咲良さんが「恵梨香はあなたが結婚してるって知っているのよね?」と念を押すと、夫は「彼女に“もうすぐ離婚できる”って言った」と開き直ったので咲良さんは開いた口がふさがりませんでした。
筆者は「旦那さんは(咲良さんの)悪口を吹き込んだのでしょう。だから相手の女性は本気に」と推測しました。すると咲良さんは「私を何度傷つけたら気がすむんでしょうか!」と怒りを露わにしました。
恵梨香さんは咲良さんの立場、気持ちになって物事を考えたことはあるのでしょうか? 考えたことがあるのなら、どこか途中で謝罪をしたり、責任をとったり、許しを乞うたりしたはずです。しかし、最初の発覚から半年間、何も考えずに過ごしてきたのでしょう。罪悪感や贖罪の気持ちを持っていない何よりの証拠です。もし恵梨香さんが自分さえよければ誰をどんなに傷つけても構わないと思っていても、咲良さんは「壊した者勝ち」というやり方を絶対に許したくないそうです。恵梨香さんにしかるべき責任をとってもらうため、咲良さんは勇気を出して行動に出たのです。
覚悟を決めた咲良さんは夫に協力するように迫り、夫は泣く泣く引き受けました。デートの口実で恵梨香さんを喫茶店に呼び出し、尻尾を捕まえる作戦です。そこで喫茶店に現れたのは幹夫さんではなく妻の咲良さんだったのです。恵梨香さんは「ヤバい」と気づくも逃げきれず、咲良さんは直談判に持ち込むことに成功しました。