もし、元上司があなたの自宅に泊まりに来て、「いつか大切な日に飲もう」と思ってずっと大切にとっておいたワインを、勝手に飲んでしまったとしたら……。
きっと、怒り狂いますよね。
これは、そんな体験をしたにもかかわらず、その元上司から「ワインを勝手に飲んだ理由」を聞いて、思わず納得させられてしまった……という話です。
元上司の“衝撃行動”にア然
前述の体験をしたのは、かつてアメリカのモルガン銀行(現JPモルガン・チェース銀行)などに勤務し、「伝説のディーラー」と呼ばれ、現在は経済評論家として活躍されている藤巻健史(ふじまき・たけし)さんです。
藤巻さんによれば、自分が伝説のディーラーとしてモルガン銀行で活躍できたのは、マーカスさんという切れ者の上司が、自分を信用して「大きな勝負」をさせてくれたからなのだとか。
藤巻さんが「彼には絶対にかなわない」と言うほど優秀な銀行マンだったマーカスさんは、50代半ばにしてモルガン銀行をリタイア。早々に第二の人生へのチェンジを果たします。
藤巻さんもその後、同銀行を退社し「投資家へのアドバイザー」へと転身しますが、恩人であるマーカスさんとの交友はずっと続いていたそうです。
さて。お互いにもうモルガン銀行をリタイアしてからのこと。
マーカス夫妻が日本に遊びにきた際、藤巻さんのお宅に1か月ほど滞在したことがありました。事件(?)が起こったのはそのときです。
実は藤巻さん、自宅に小さなワインセラーを持っていて、その上段の棚に「いつか特別な日に開けよう」と、高級ワインを大切にキープしていました。
ところが……。
なんと、このマーカスさん。藤巻さんのお宅に滞在した初日から、勝手にワインセラーを開けると、このワインを開栓して飲んでしまうではありませんか!
しかも、それが毎夕食ごとに続くのです。いくら恩義のある元上司とはいえ、これはいくらなんでも……。