少女の弱みにつけ込む卑劣行為
児相職員による子どもへの性犯罪が後を絶たない──。
'19年10月には、仙台市の児相職員が未就学の少女2人に下半身を触らせるなどしたとして懲役3年の実刑判決となっている。福岡市の児相職員も14歳の少女にわいせつな行為をしたとして逮捕され、'20年6月に懲役2年、執行猶予4年の有罪判決に。
児童心理司として長年、児相に勤務していた心理カウンセラーの山脇由貴子さんは、次のように厳しく指弾する。
「児相に来る子は親から虐待を受けていたり、家庭に問題があって家出してきたりとメンタルが弱っている。だから、誰かに優しく接してもらいたいという願望が強いんです。そこにつけ込んだ、悪辣な行為といえます。容疑者は出来心かもしれませんが、子どもへの下心を持っていて、性的な目的のために児相という職に就いている人間は一定数いると思います」
だが“個人の資質だけではなく、組織の問題でもある”と、山脇さんは続ける。
「このような人間を採用時にふるい落とすような仕組みが、できていないんです。それは厚労省も十分に認識していると思うので、あとは真剣に、本気で向き合うべき」
今回、事件を起こした容疑者たちは、いったいどんな人物なのか──。週刊女性は、14歳の少女を毒牙にかけた八木下海斗容疑者の取材を進めた。
容疑者は“やんちゃ”“遊び人”の印象
彼の実家は横浜市の大地主。1300平米を超える敷地内に豪邸が立っている。
「祖母、母、クラシックギターを教えている姉との4人暮らし。中華料理店を経営していた父親は、2年前に50代の若さで突然亡くなっています」(近所の住民)
中学校の同級生は、容疑者のことを次のように振り返る。
「部活はバスケ部に入っていたけど、からきしヘタで(笑)。でも、性格は明るくて“イジられキャラ”って感じ。面白いやつでしたよ」
高校は地元の県立高校に進学して、野球部に入部。その後、私立大学に進んで幼児教育を専攻していたが、
「あいつは勉強ができなかった。でも、親が金持ちで“何でもいいから入っとけ”と、大学にすべり込んだみたいですよ」(高校の同級生)
そのころから、周囲の容疑者の印象が“やんちゃ”“遊び人”へと変わっていく。児相関係者によると、普段は“子どもに慕われる職員”である容疑者も、機嫌が悪いと児童を叱るなど身勝手な態度をとっていた一面も。