冷蔵庫にも大きな特徴がある。節約型の資産家たちの冷蔵庫は、中身がきちんと整理整頓されていて、全体の容量の半分も入っていない。その代わりに冷凍庫の中はギッシリ。特売品をきちんと切り分けて冷凍保存し、いつでも使いやすい工夫がなされている。さらには冷蔵庫のドアに在庫リストを貼って、不要な開け閉めをしないよう節電対策をしている家庭も。
「さらには、1億円貯めている人の家は、トイレがきれいという共通点もあります。風水やスピリチュアルといった話ではなく、掃除をこまめにできる人は家計管理もこまめにできるということの証でしょうね。ひとつひとつは小さなことのように思えますが、お金を貯められる人は節約をうまく継続できる仕組みをきちんとつくりあげています」
資産家のスマホに“課金”はありえない
藤川さんの分析によると、お金を貯められない人の家計簿に最近増えてきているのが「課金」という項目。スマートフォンのゲームアプリでちょこちょことお金を注ぎ込んでいたり、不要なサブスクリプション(月々定額使い放題のサービス)に登録し続けていたりと、さも必要な固定費のような顔をして支出欄に居座っている。
「節約型の資産家たちの家計簿では課金の文字をほとんど見たことがないですね。遊ぶとしても、上手に無料の範囲でやっているようです。ほかにも、いち早く格安SIMのスマホに乗り換えて“通信費がこんなに安くなったよ”なんて、喜んで報告してくれるような方も多いです」
一方で、節約できない人たちは「大手キャリアじゃないと恥ずかしい」といった理由で、大手キャリアのスマホを使い続けていることも多い。
「節約となると、つい月々の食費やお小遣いなどの変動費をガマンすることだけを考えがち。1億円を貯めることができる人は、通信費の削減や加入保険の見直しなど、まずは固定費を削ることを考えます。一度削ってしまえばその効果は長続きしますし、投資よりも堅実にお金を残すことにつながります」
少し動いただけでものどが渇く季節の到来。マイボトルを持つ習慣が、1億円の資産をつくるきっかけになるかも。
(取材・文/吉信 武)