水着で歌うのが理解できなかった
透明感のあるルックスと歌声がマッチしたこともあり、自身の代表曲に。それでもこの曲が好きになれずに、歌うことを封印していた時期も。
「私自身がこの曲に染められていく感じがして、焦りがあったんです。しばらくして事務所にわがままを聞いてもらえるようになってからは、10年ほど封印していました」
しかし、あることがきっかけで再び歌うことを決意する。
「どうしても歌わなくてはいけない場があって、久し振りにお客さまの前で披露することに。すると、目の前で見ていた女性が私の歌を聴いて涙を……。
そのときに、発売したからには私だけの曲ではないんだと実感して。みなさんのものになっている曲を、私の気持ちだけで封印するのはなんておこがましいんだろう……と、大反省。
そのことに気づいてからは、求められれば、むしろ喜んで、心を込めて歌えるようになりました」
高校時代は弁論部の部長を務めていたこともあり、デビュー当時から自分の信念は曲げなかったと振り返る。
「当時、若い女性が意見するのは生意気だと思われる時代だったけど、そう思われてもいいと『芸能人水泳大会』に出ても、絶対にビキニは着ませんでしたね。水着で歌うのが理解できなかったので(笑)。だからセクシーに見えるグラビアも、事務所にお願いして断っていました」
歌手デビューの翌年には女優業も開始。映画『トラック野郎・爆走一番星』やドラマ『青春ド真中!』(日本テレビ系)など、多くの人気作品にマドンナ役で出演する。
「『トラック野郎』で菅原文太さんとご一緒したときにすごく印象に残っているのが、ロケ地でスタッフの方たちと熱く演劇論をかわしていたこと。イメージどおり熱い方なんだなと思いましたね。『青春ド真中!』は学園ドラマだったのですが、撮影後にみんなでロケ地近くのお店でご飯を食べて、本当の学校みたいで楽しかったです」
劇中ではみんなが憧れるマドンナ役を演じていたものの、私生活では男性運に恵まれなかったようで……。
「歌手デビュー前に交際していた男性がいました。デビュー後は寝る暇もないぐらい忙しくなり、電話をする時間があったら少しでも寝たいと思うようになってしまい……。すぐに破局を迎えました」
デビュー後、初ロマンスを週刊誌にキャッチされたギタリストの男性とは交際会見まで行ったものの、それが原因で騒動に発展。
「会見後、その男性とお付き合いしているという女性が次々に現れたんです。そしたら私以上にマスコミの方がその男性を許せない! とエキサイトして、大きな騒動になってしまって……。当時は、何で私以上にマスコミの方たちが怒っているんだろうと不思議な感覚でした(笑)」
その後にデートが報じられた歯科医の男性とは、報道がきっかけで本格交際に至らなかったという。
「そんなこんなで今でもおひとりさまです(笑)。でも今はいろんな生き方が容認されるようになったので、すごく生きやすくなりましたよね」