「不倫にならない」理由
結婚直後の1月上旬、駒田は彼女の家を訪れる。
「家に来ると、身体をベタベタ触ってきたそうです。数日後には“手料理が食べたい”と言ってまたAさんの家に。その日、彼女は目隠しされ、はいていたストッキングをやぶかれて……。その2日後も訪れ、その日も食事が終わると駒田さんはすぐ服を脱いで……」
新婚の妻を裏切る行動なのは明らかだが、彼には奇妙な価値観があった。
「実はふたりは、“行為”を最後までしたことはなかったんです。駒田さんが“最後までシなきゃ不倫にならないから大丈夫”と言っていたそうで……。罪の意識なんか毛頭ないのかもしれませんね」
しかし、2月中旬になると、駒田は多忙を理由にAさんと会わなくなった。
「Aさんは“都合のいいときに短時間で、ただ風俗代わりにされていただけなのかも”と傷ついていて……。もちろん彼女も悪いけれど、駒田さんは欲望のためにAさんを利用しただけなんです」
爽やかなイメージからかけ離れた裏の顔。事実を確認するべく、5月中旬に自宅マンションから出てきた駒田を直撃した。
─Aさんという女性と不倫関係にあったようですね?
「…………」
顔をしかめ、しばし沈黙した後、ゆっくりと口を開いた。
「あの〜、Aさんという女性は、もちろん存じ上げています。言えることは、本当に何もそういったことはしておりませんので」
─Aさんの自宅にも行っていたと聞いています。
「友達関係でお会いして、ご飯に行かせていただいて。家に行ったのも、趣味のDVDを貸していただいたのを、返しに行っただけです」
─奥さんもご存じ?
「妻には、“友人のところに行ってくる”と」
─Aさんの家で、性行為はしていない?
「もちろん、ないです」