突然の痛みに襲われると、楽しいことでも手につかなくなってしまう「片頭痛」。近年、その原因として「光」が注目されています。片頭痛を防ぎ、悪化を避けるワザをご紹介します。
片頭痛が起こるメカニズム
日常生活への影響が大きく、とてもやっかいな頭痛。頭の痛みには、危険な病気が隠れている場合もあるため十分に注意が必要ですが、日ごろ経験する頭の痛みには、大きく分けて2種類のタイプがあります。
1つは「緊張型頭痛」タイプ。おもに首や肩の筋肉が緊張した状態で血流が悪くなり、痛みが引き起こされると考えられています。
最先端の科学とユニークな実験で日常の疑問を調査するNHKの番組『ガッテン!』が、今回注目したもう1つのタイプが、「片頭痛」タイプ。
脈打つようにズキズキと痛むのが特徴で、これは脳の血管が拡張し、血管を取り囲んでいる神経が圧迫されることで炎症物質が放出され、痛みが引き起こされると考えられています。
頭痛を引き起こしやすくするものを「誘因」といいますが、緊張型頭痛は誘因が特定しやすい場合が多いのに対し、片頭痛の誘因は実にさまざま。わかっているだけでも、約40種類もあるといいます。
光を抑えて頭痛を回避!
こうした片頭痛の誘因の1つとして最近注目されているのが、「まぶしい光」。2010年に発表された海外の研究によると、なんと片頭痛患者の61%に共通する誘因だというのです。
このように多くの人の誘因であるにもかかわらず、光が痛みを引き起こすメカニズムが明らかになったのは、つい最近のこと。光による片頭痛のある人は、“光センサー”の役割を担う細胞が、過剰に働いてしまうことがあるというのです。
この細胞は、人間だけでなく脊椎動物に共通するもので、いわゆる「体内時計」の大本となる働きをしています。
この細胞が光を感じると、脳に信号を送ります。これは本来、太陽が昇って朝がきたことを知らせるためのもの。そのため、信号を受けた脳は“活動モード”に切り替わり、全身に血液をいきわたらせるために血管を拡張させます。
ところが光による片頭痛のある人は、光に過剰に反応してしまうため、脳を流れる血液がさらに増加。血管が大きく拡張することで血管を取り囲んでいる神経が圧迫され、炎症物質が放出。あのズキズキとした痛みが起こってしまうというわけなのです。
現代を生きる私たちにとって光はとても身近で、多かれ少なかれ1日じゅう浴びているもの。だからこそ、それが頭痛の誘因だと認識している人は少ないのだといいます。
頭痛に悩んでいる場合には、下で紹介する「光」対策ワザをお試しください。
ただし、頭痛には深刻な病気が隠れている場合もあるため、自分だけで判断せず、必ず専門の医師とともに誘因を見つけるようにしましょう。
頭痛をコントロールする「光」対策ワザ
(1)サングラスや日傘を使う
デパートの化粧品売り場やコンビニなど、まぶしい照明がある場所に行くときは、事前にサングラスをかければ、目に入る光の強さをコントロールできます。屋外なら、日傘も有効。
(2)部屋の照明や内装をかえる
室内の照明を白っぽい光(昼光色や昼白色)からオレンジ系の光(電球色)にかえることで頭痛の頻度が減少したという調査結果が。また、部屋の壁紙や家具などをベージュやブラウンといった、光の反射を抑えたものにするのも有効です。
自分の痛みの原因を知ろう!「頭痛ダイアリー」
痛みの度合いや状況などを書き留めておくことで、自分の生活の中から頭痛の誘因をあぶり出し、専門医に相談する際に重要な手がかりに。頭痛専門医のいる病院などでも無料で配布されています。以下のURLからもダウンロードできます。【https://www9.nhk.or.jp/gatten/pdf/20201118_diary.pdf】
※頭痛の専門医については、「日本頭痛学会」のホームページ(https://www.jhsnet.net/ichiran.html)を参考にしてください。
総合テレビ毎週水曜午後7時30分~8時15分
【7/7】筋力★血圧★中性脂肪 日常の「逆」にひそむ驚き健康パワー
今回のテーマは「逆」!? 足腰が弱くなってしまい、立ち上がるのが大変だった人が、ある「逆」を実践することで、スイスイと立ち上がることができるようになったというのです! いったい、何をしたというのでしょうか? 調べていくと、ある工夫をすることで、階段を上るよりも下りるほうが筋肉を鍛えられ、なんと血圧や中性脂肪も下がってしまうことが判明したのです。そこには私たちの身体の筋肉や脳の、不思議なメカニズムが関係していました。日常の「逆」を意識することで、健康で美しいボディを簡単に手に入れられる、とっておきのトレーニング方法もご紹介しちゃいます!
ゲストは、榊原郁恵、岩尾望、大島麻衣。