女性特有の病気などの医療特約に入る理由としては、医療費が高額になるのでは、という不安がいちばんだろう。
「女性特有の病気だからといって、治療に特別にお金がかかるわけではありません。今野さんはもちろん公的な健康保険に入っていますよね。なら、自己負担は抑えられるようになっています。実は、日本の公的な健康保険は世界でも類を見ない優秀な医療保険といえます。その理由を挙げてみましょう。
(1)自己負担の割合が決まっている
(2)基礎疾患や年齢など関係なく誰でも加入可能
(3)保障はもちろん一生涯
(4)基本的にどんな疾病も対応
(5)老齢者や疾患のある人などの負担が軽い
(6)高額療養費制度で負担の上限アリ
こう整理すると、民間の保険に比べて公的な健康保険がいかに優れているかがおわかりだと思います」
特に注目したいのが、(6)の高額療養費制度だという。この制度によって高額な医療費の自己負担の上限が決まっており、平均的な収入のケースだと1か月9万円ほど。それ以上は負担する必要がないのだ。年間で数十万円ほども公的な保険料を払って手厚い保障を受けているのに、このうえさらに民間の保険に入る必要があるのかということだ。
「不要な保険」解約で高額の“埋蔵金”が!
「公的な保険って思ったより手厚い保障なんですね。自己負担の上限が月9万円程度なのであれば、貯金でカバーできる範囲ですし、健康保険だけでも十分かも……と思えてきました」と、今野さん。
さらに後田さんは、この契約を解約すべきもっとも大きな理由が別にあるという。
「それは、いま解約すると137万円の払戻金が受け取れるということです。この払戻金は自身の見えない貯蓄でもあるので、“埋蔵金”と私は呼んでいます。この137万円を将来の医療費として持っておくと考えてみてください。最大でも自己負担が月約9万円なので、十分対応できるのではないでしょうか」
でも、満期まであと8年なら最後まで払ってもいいということはないだろうか?
「満期まで払うと500万円の死亡保障を受けとる権利を得ますが、その代わりに埋蔵金は一切なくなります。死亡保障がいらないなら、さらに約102万円のお金を払って、しかも埋蔵金を失うより、いま解約して埋蔵金を入手したほうがいいと思います。保険の契約でポイントなのは『給付金を自分で用意できるかどうか』に尽きます。自分で用意できる金額のために保険料を払うメリットはないと考えてください」
後田さんの助言を受けて、今野さんは最終的に保険を解約。今野さんに、保険を解約した感想を聞いてみた。
「保険に入ってないと不安というフワッとした気持ちだけで契約していたみたいです。公的な保険があるので、自分では用意できない金額が必要になることはあまりなさそうです。月々の余計な支払いがなくなりスッキリしました。まったく当てにしていなかった“埋蔵金”も手に入ってかなり得した気分です!」