(4)2人の“ギャップ”
とてつもない実績を残してきた両者は、それぞれギャップを持ち合わせている。大谷はあどけない少年のようなルックスなのに、外国人選手に引けを取らないパワフルなプレーをする。
「やっぱり、野球の醍醐味はホームランとスピードボールなんですよ。大谷選手は次々とホームランを放ち、ピッチングは160キロ超え。ひと目でわかるすごさが、アメリカでも人気につながっています」(梅田さん)
大谷の身体を見て、コアなファンや現地の記者は“革命的”と評している。
「メジャーリーグでは、ステロイドによる筋肉の増強が認められていた時代が長かったんですが、今は完全に禁止。大谷選手は正しいトレーニングで健康的に身体を作り上げ、ホームランも量産する本物のスラッガー。“薬物なんか必要ない”という新時代の象徴ですよ」(梅田さん)
対する羽生は、さわやかな“王子様”キャラ。しかし、見た目からは推し量れない熱い心を持っている。
「とにかく負けず嫌いで、練習中のちょっとした失敗でも悔しさを全開にする。幼いころから、強い競争心を持ち合わせていましたね。“世界に挑戦しよう”という意識で練習していましたし、前人未到の領域である4回転半も“いつか跳びたい”と実は当時から目標にしていました」(都築コーチ)
メディアへのたぐいまれな発言力にも、スケートに対する熱い思いが隠されていた。
「会見で見せる堂々とした発言には“フィギュアを盛り上げるため”という側面もある。凛とした雰囲気の羽生選手が感情をあらわにして男らしい発言をするから、ファンはたまりませんよね。親世代の女性からしても、まさに“理想の息子”でしょう」(前出・スケート連盟関係者)
ルックスからは想像もつかないパワフルさと情熱を持つ両者。多くの女性が2人に釘づけなのは、そのギャップのせいかも。