「私が現場を通りかかると、被害者のAさんの顔面は真っ赤に染まっていて、血が噴き出していました。Aさんは容疑者を必死に押さえつけていましたが、容疑者の手にはサバイバルナイフが……。だから私が取り上げたんです」
事件を目の当たりにした男性は、そのときの壮絶な様子を振り返った。
顔面を15針を縫う負傷
19日の昼12時25分ごろ、神奈川県横浜市の路上で交通トラブルをめぐって傷害事件が発生した。近隣に住む自称会社員の遠藤正雄容疑者(58)が、同じく近隣の会社員・Aさんの顔面をナイフで切りつけたのだ。遠藤容疑者は殺人未遂の疑いで現行犯逮捕された。警察の取り調べに対して容疑者は、
「ナイフで傷つけたことは間違いないが、殺害するつもりはなかった」
と供述。だが、被害者の顔面はサバイバルナイフでこめかみから鼻あたりまでを深さ2cmで切られていて、15針を縫うほどの負傷だった──。
事件の真相を聞くべく、被害者のAさんを訪ねた。左目の横から頬にかけて大きなガーゼを貼っていて、痛々しい状態だったが、
「大丈夫だよ、このくらい。医者からは全治2週間って言われたかな」
そう元気に答えたAさんは、事件の経緯も教えてくれた。事件当日、とある店の駐車場に車を止めていたAさん。
「そこから道路に出ると、すぐ後ろの車がいきなり急接近してきてあおってきたのよ、2回にわたってね。
いま考えると、こっちは一時停止してゆっくり道路に出たつもりだったけど、容疑者は急に割り込まれたと思ったのかもしれないね」(Aさん、以下同)