人気レイヤー兼、雑誌編集者の千都さん

 そして時代はガラケーからスマホに変わっていった。写真投稿の場がコスプレ専門SNSからTwitterに変わったことで、一般の人の目に触れることも多くなった。それと同時に「レイヤー全体のレベルが急激に上がった気がします」(大門さん)

 その頃、えなこや、今も人気を誇るレイヤーが多数登場している。

「えなこ以外にも宮本彩希、火将ロシエル、五木あきらなど、神7的な存在の人気レイヤーがいます。職業として食べていけるのは、ほぼグラビアアイドル的な活動をする彼女たちぐらいでしょう」(大門さん)

 実際、千都さんもフォロワー数10万人を超える人気レイヤーでありながら、雑誌編集者が本業だ。

キャプ・編集部デスクでの千都さん。お気に入りの仮眠用枕と
キャプ・編集部デスクでの千都さん。お気に入りの仮眠用枕と
【写真】人気レイヤー・千都さんの本業である“雑誌編集者”としてのレア姿

「たしかに今はレイヤーもファンイベントを開いたりインフルエンサーになったりと多様化している。グラ嬢よりコス嬢のほうが個性が出せておいしいと思う手合いがいるのも否めません」(大門さん)

 そのひとつがアイドルコスプレイヤー。過激なセクシー衣装で一定のファンを持ち、中にはマンツーマンのイベントで月100万円稼ぐ人も。だが一方で、クオリティーの高い衣装を自作し、ロケ地やシーンにこだわった写真を投稿する千都さんのコスプレイヤーとしての収益は、多い時でも月10万円程度。なぜなら版権コスプレで収益を得るのはタブーとされているからだ。

『けものフレンズ』のサーバル
『けものフレンズ』のサーバル

 多忙な本業をこなしながらも、そこまで夢中になれるコスプレの魅力とは? 

コスプレは最大のファンアートだと思ってます。大好きなキャラクターはもともと自分より数億倍可愛い存在。コスプレをすることで、少しでもそのキャラに近づきたい。誰かに評価されるより、キャラへの愛をコスプレで最大に表現して、自分自身が満足したいんです」(千都さん)

 コスプレの楽しみ方は人それぞれでいいんです、と語る千都さん。楽しみ方が自由なら、じゃあアラフィフがコスプレしてもいい!?

コスプレは決まりがない。ハマると卒業できない趣味なので、もちろん年齢制限もないですし! 今からぜひトライしてみて」(大門さん)

 さすがにリアルでは恥ずかしいけれど、今のアプリの画像加工技術はハンパない。推しのキャラに扮して写真を投稿してみる趣味──アラフィフ世代でもデビューできる日が来るのかもしれない。