ロケ地増加、施設側のメリットや町おこしにも
東京都の委託を受けて運営している『東京ロケーションボックス』に、登録する側のメリットを聞いてみると、
「'01年4月にサービスを開始した直後の登録施設は200件ほどでしたが、今年10月1日の段階で2592件の登録とロケーションサービスへの理解が深まっています。
作品に施設名や企業名が登場することにより、宣伝効果が期待できます。また施設使用料や立ち会い費用等を設定することで、ロケの受け入れが収益につながるほか、地域の活性化にも期待ができるといったメリットがあります」(広報担当者)
'17年に埼玉県行田市を中心にロケが行われた、日曜劇場『陸王』(TBS系)の同市への経済効果は、放送3か月で10億円超といった試算が発表されるなど、町おこしに貢献するケースも。
前出の田幸さんは、ロケ地がかぶるメリットとデメリットを視聴者目線でこう指摘する。
「ドラマファンにとっては“あの作品と一緒だ!”と小さな発見をする喜びがある一方、“またあそこ?”という既視感も出てしまいますよね」
新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあるようだ。
「コロナ禍前は撮影に協力してくれる病院も複数ありましたが、感染拡大以降は貸し出ししてくれる病院がかなり減りましたね。
そのため、医療セットのあるスタジオや局内で病院に見えるように撮影を行うなど、医療ドラマの撮影スタッフは頭を悩ませています」(制作会社関係者)
撮影の受け入れをストップする施設はほかにも。
「具体的な数は調査できていませんが、コロナ禍になり20~30件ほど、紹介を中止した施設があります。
比較的ロケに慣れている施設は、コロナ禍でも撮影自体を受け入れる可能性が高いため、映像で露出する機会が自然と増えてしまいますね」(前出・東京ロケーションボックス広報担当者)