働き手が“帰って来ない”
いわゆる“自粛警察”と呼ばれ、一時期問題となっていた人たちによると思われる行為だ。飲食店店主は、
「そのお店が実際にカーテンで目隠しをして、“闇営業”をしていたかはわかりません。しかし、19時までに入店してもらって、20時以降はシャッターを閉めて営業する店はいくらでもありました。当然お酒も出す」
10月25日、東京都などの飲食店に対する営業時間の短縮要請が解除。営業時間の短縮要請解除は協力金の終了を意味する。前出とは別の飲食店関係者は、解除後の飲食店について次のように話す。
「今現在の状況としては求人が急回復していますね。宣言が明ける発表後は、ほぼコロナ禍前の水準に。11月に入ってからは“働き手がいなくてヤバい”という声も。
コロナ前は居酒屋勤務だったけど、コロナによって店が休業になったために、ラーメン店など昼の飲食の仕事をしていた人も多かった。そういう人たちが“古巣”に戻り、今度はそのラーメン店が困るという状況。
逆にすでに飲食ではない“ほかの人生”を送っているため戻れない人もいます。人が集まらないため時給を上げざるをえず、人件費は爆上がりしています」
協力金、悲喜こもごも
飲食店はこのコロナでいちばん打撃を受けたと言われているが、実際その立場の人はどのように感じるのか。
「打撃が他業種と比べて大きかったという感覚はあります。家賃が高い場所に店を構えているチェーン店や、従業員が多かったりするお店は、コロナによって失われた売上金は莫大だった。
ただ、これが“個人店”となると事情は変わる。従業員がいなかったら雇用について悩むことはないし、都心などに店を構えていなかったら家賃もそれほどではない。
もちろん店ごとに事情はまったく異なりますが、“働かずしてお金がもらえていた”状況にいた飲食店店主は数多くいました」(前出・飲食店関係者、以下同)