紅ショウガはあくまでも脇役
そんな紅ショウガについて、肝心な牛丼チェーンはどう捉えているのか。そこで、「牛丼に紅ショウガ」を初めて取り入れた吉野家に聞いた。
「紅ショウガはあくまで牛丼を召し上がっていただくための脇役ですので、お客様のお好みに応じて召し上がっていただければと考えております」
そう話すのは吉野家の広報担当者。紅ショウガも企業にとってはタダではない。中には、かけすぎ問題に関して「企業としてダメージはないのか」という心配も上がっているが、そういったことに対して、何か対策が練られたことは特にないという。
そもそも紅ショウガのセルフスタイルは、いつから取り入れられたものなのか。
「正確な情報がないのですが、築地1号店にはすでにあったと聞いています」
とのこと。今や紅ショウガは牛丼に欠かせない“名脇役”だが、何でこんなにも牛丼と相性がいいのか。これにはこんな秘密が。
「吉野家では、繊維質が少なく、柔らかい“ガリ”をメインに使用しています。辛すぎず、漬け込んだ特性梅酢のほどよい酸味が特徴。牛丼に合う味を追求しています」
こだわり抜いた味。紅ショウガに魅了されるファンが多いのも納得だ。これだけ紅ショウガファンが多いようであれば「紅ショウガ丼」という新たな商品が考案されてもいいような気もする。
最後に広報担当者のオススメの量と食べ方について聞いてみると、「あくまで、わたくし個人の好きな紅ショウガの食べ方ですが」と前置きしたうえで、2つの方法を提案してくれた。
(1)牛丼の半分にトング一つまみ分の紅ショウガを乗せ、牛丼本来の味と、紅ショウガと牛肉がいい具合に混ざり酸味のきいた味を交互に食べる
(2)牛肉を少しどかし、紅ショウガをご飯の上にのせ、その上に牛肉を乗せ、ご飯と牛肉の間に紅ショウガを挟んで食べる
そして量については、
「繰り返しになりますが、紅ショウガは脇役。ですので、トングひとつまみ分がわたくし個人の好きな量です。お客様にお好みの量を、食べ残しがないよう、おいしく召し上がっていただければと思います」
とのことだった。
結局のところ「正解」はなく、利用者の“モラル”の問題といったところか。牛丼の紅ショウガだけじゃない。回転寿司の「ガリ」、うどん屋の「天かす」、さらに言えばスーパーのビニール袋やコンビニの箸に言えることなのかもしれない。今後も、ただただ美味しい牛丼が食べられることを祈るばかりーー。