刑務作業以外の時間は、受刑者同士でおしゃべりすることもできるが、トラブルになることも多いという。

刑務所内の人間関係

 早く仮釈放されることを願って頑張る人と、それをねたむ人がいて、気が抜けない日々が続くそう。

「模範囚になって仮釈放を目指そうとしても、なかなか出られない人たちに目をつけられると、嫌がらせをされることもあります。ケンカをすると連帯責任で懲罰房に行かされて、また刑期が延びることに……。

 早く仮釈放されるためには、刑務官に気に入られることが大事なので、刑務官に取り入ろうとする人も多いです

「ケンカの理由も刑務所ならでは」マンガ/小池恵子『女子刑務所はこわいよ』(竹書房)
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 周りの人に自分の罪状や刑期を話さないよう、弁護士や刑事から事前に言い含められたものの、なかなかそれを守ることはできない。

「仲よくなるとつい身の上話をしてしまいますし、それがすぐにみんなに広まるので、みんながどんな罪で服役しているのかは、暗黙の了解でした。

 家族からの虐待や、夫からのDVの末の犯行も多くて、思わず同情してしまう人も少なくありません。一方で、子どもを殺した人には、みんな冷たかったですね」

慰問コンサートを実施

 刑務所内では、娯楽も用意されている。 

刑務所では年に3回ほど慰問コンサートが行われます。私がいた刑務所には、八代亜紀さんが来てくれました。すごくきれいでいい匂いがして、『舟唄』を聴いたらみんな号泣。

 地元の子どもたちやおじいちゃん、おばあちゃんたちのステージもあり、自分の子どもや親を思って、やっぱりみんな泣いてしまいます。演目を見て、泣きそうなときはみんなタオルやハンカチを持っていきました

 クラブ活動もあるという。

「囲碁、習字、俳句、歌唱クラブなどがありましたが、各部に人数枠があり、入部審査もあります。部活をすると仮釈放が早くなるという噂もあり、入部を希望する人は多かったです。好きな歌を歌えるカラオケ大会や運動会もありました」