人との交流を大切に毎日過ごす
「万が一のために貯めているのは、自分のお葬式代にする少額のお金だけ。クリスチャンのお葬式は質素なのでお金もかかりません。それよりも、生きている間に人との交流に、お金を使いたいから」
ミツコさんは、人に手料理をごちそうするのが好きだ。特に、お世話になった人を自宅に招くときは心を込めた手料理でおもてなしをする。
「食材費は少しかかってしまいますが、こういうときはケチケチしません。来月節約すればどうにかなるもの。また少額ですが、娘たちがうちに来てくれたときには駐車場代として千円を渡しています」
それも亡くなったクリスチャンの叔母の「気は心」という教えから。
「人のためにお金を使うと不思議と臨時収入があるものなんです。よいお金の使い方をすれば、心も豊かになる。人にもお金にも感謝する気持ちは忘れたくないですね」
1か月の収支
●収入
国民年金などの年金約7万円
●支出
住居費 約6000円
社会保険料など 約4000円
水道光熱費 約8000円
通信費 約1万円
食費、雑費、その他 約4万円
計 約7万円
※シルバー人材センターの仕事の収入は、教会への献金、臨時出費(美容院代)などに充てている
教えてくれたのは…牧師ミツコさん ●プロテスタントの牧師の家庭で育ち、神学系の大学を卒業。牧師の夫と結婚後、自らも牧師に。夫婦で47年間教会を運営しながら4人の娘を育てた。孫は16人。著書に『74歳、ないのはお金だけ。あとは全部そろってる』(すばる舎)。
〈取材・文/松澤ゆかり〉