知らないとコワい借金解決の落とし穴
自己破産などの債務整理は借金をゼロもしくは減額にできる。また弁護士事務所に依頼することで、家族に秘密の手続きもできる。しかし当然ながらデメリットも。
「債務整理を行うと、5〜10年ほど『個人信用情報』というもの、いわゆる“ブラックリスト”に記録が残り、クレジットカードや住宅ローンなどを利用できません。また自己破産や個人再生は『官報』に名前が載るので、他人にバレてしまうリスクも(※官報:国が発行する新聞のようなもの)」(堀向さん、以下同)
●借金解決!と見せかけた違法な手段に要注意
借金が解決するように見えて、実は違法な取引に当たる手法もある。近年増えているのが、給与ファクタリング。「あなたの給与を換金します」といううたい文句なので、一見借金とは無関係そうだが……。
「給与ファクタリングは正式な貸金業者が行わないと違法。ですが現状は、その多くは闇金業者です。給与を受け取る権利を買い取り、あなたにお金を渡します。それを『貸付金』だと言い張って、法外な金利とともに督促してきます」
違法なので返済する義務はないが、消費者の無知につけ込んでしつこく督促・恫喝し、お金を巻き上げる業者も。被害にあってしまったら、警察へ通報するほか手段はない。
●借金をしたら少額でも返済は困難と心得て
そもそも借金をしたなら、よほどの収入増がない限り『借金を返すお金もない』と受け止め、早めに対処を。
「なぜなら多くの人は、利息の支払いを延々と続けるだけになるから。借金が数十万円程度でも、無収入なら自己破産の選択を考えたほうがいい」
借金額が少ないからと思わず、まずは弁護士など専門家に相談するべき。
では借金に苦しまないために、これからできることは?
「シンプルですが、収入の範囲内で生活すること。まずは毎月の収支バランスが整っているか見直しましょう。クレジットカードは一括払いにし、支払いを先延ばしにしないように」
先の話だが、もし自分が借金を抱えたまま亡くなった場合、借金も遺族へ移ってしまう。将来パートナーや子どもに借金を残さないよう、できることから始めてみよう。